「勉強する意味ってあるの?」「どうして勉強しなくちゃいけないの?」と子どもから質問されたら、返答に困る親御さんもいるのではないでしょうか。

とっさに答えた言葉に子どもが納得の表情を浮かべたらいいのですが、なかなかそうもいきません。そこで今回は、多くの親御さんが悩む「勉強する意味とは?」に対する回答の仕方を解説します。勉強する意味を理解したお子さんの姿をイメージしながら、ぜひ最後までお読みください。

「勉強する意味とは?」と悩む子どもは多い

子どもが「勉強する意味とは?」と聞く場合は、学習において悩みを抱えている場合が多いでしょう。

  • 算数の問題なんて使う場面もないのに、どうして勉強しなきゃいけないの?
  • 将来スポーツ選手になりたいのに国語などの教科をやる必要があるの?
  • 英文学を学びたいわけでもないのに、なぜ英語を勉強する意味があるの?

生活場面を描いたり目的が明確だったりする子ほど、勉強する意味が分からなくなることがあります。特に親から成績について叱られた場合、「なぜ勉強しなくちゃいけないの?別に良い大学に行きたいわけでもないのに」と思う子もいるでしょう。

状況にもよりますが、子どもは勉強に対する疑問を持ち、勉強する意味を知りたいと思っているものです。

“勉強する意味を知ること”が大切な理由

勉強する意味を知る必要性は、「今やっている勉強が将来に活かせるものだ」と子どもに感じさせるためにあります。しかし、「夢を実現させるには勉強が必要だ」と親から一方的に言われたとしたら、子どもは反発するでしょう。

中には「勉強はしたほうがいいし、できたほうがいい」と分かっている子もいます。ただ、納得できる“勉強する意味”を探しているだけなのです。「勉強する理由とは?」と疑問に思う子ほど、勉強の価値が分かれば自分の才能を最大限に活かそうと努めます。子どもに納得してもらうためにも、保護者自身が「なぜ勉強する意味が大切なのか」を理解しておきましょう。

勉強へのネガティブなイメージがなくなる

勉強する意味が分かると、子どもの勉強に対するイメージは良くなります。そもそも子どもは、勉強に対して「楽しくない」「やりたくない」「叱られる材料」など、ネガティブな感情を抱いていることが多いものです。

一方、「勉強は楽しい」と思い毎日がんばって学習している子は、勉強する意味を理解できています。勉強する意味に着目すると、勉強に対するネガティブなイメージを払拭できるのです。

モチベーション高く勉強に取り組める

モチベーションが上がっても、すぐに下がってしまう子は少なくないでしょう。「勉強する意味が分からない」からなかなかモチベーションが上がらない子も多いもの。

モチベーションを向上させるには「何のために勉強するのか」「勉強をして自分はどうなるのか」を子どもなりに納得することが大切です。親が一方的に「子どもは勉強をしてえらくなるのよ」「勉強すればいい学校に入れるよ」などと子どもに伝えるのは逆効果になります。押し付けられた価値観は子どもの心に響かないでしょう。

勉強する意味を子ども自身が理解し、目標や計画を自分なりに設定できるように親はサポートする必要があります。

子どもに伝えたい!勉強する本当の意味9つ

「頭が良くなるから」とか「受験に勝つため」などという言葉は、勉強する意味に入るかもしれません。しかし、勉強する本当の理由にはならないでしょう。

勉強する本当の意味とは、子どもが納得し心の底から「がんばろう」と思えるものです。「勉強すべき」より「勉強したい」と思えること、ネガティブよりポジティブな感情が湧いてくるような言葉などが理想でしょう。そこで本章では、子どもに伝えるべき「勉強する本当の意味」を9つのポイントに絞って解説します。

視野を広げるため

勉強すると、さまざまな分野に触れられます。日本語や英語、数理、歴史、芸術など、知れば知るほど世界は広がるもの。

視野が広がるのと同時に、自分の考え方も柔軟になっていきます。知ることで誤解や思い込みがなくなり、異なる見方ができるようになるためです。柔軟さは新たな分野に対する興味へとつながり、好奇心をかきたてる役割もあるでしょう。逆に、物事を知らなければ固定観念に縛られ、不自由さを感じることが多くなってしまう可能性があります。

将来の選択肢を増やすため

勉強して視野が広がり多くの知識を身につけると、将来の選択肢を増やせます。貯金を増やせば、必要なものや買いたいものをいつでも買えるようになるのと同じ発想です。高校や大学受験などに向けてさまざまな学力を身につけておくことで、「〇〇の職業に就きたい」と思えばいつでも就ける状態になります。選択の幅を広げるためにも、子どものうちから勉強しておくことが重要なのです。