プログラマーは子どもが憧れる職業の一つになっています。すでに社会ではプログラミングの重要性が認識されており、今後プログラマーの需要はますます高まっていくでしょう。この状況を踏まえ、今回はプログラマーを目指すお子さんやその親御さんに向けて、プログラマーの概要や仕事内容、必要なスキルなど、プログラマーに関する情報を詳しく紹介します。

ぜひ参考にしてみてください。

プログラマーってどんな仕事?

プログラマーの仕事内容は、プログラミング言語を使って、アプリや各種システムの起動に必要なプログラムを作成すること(プログラミング)です。

プログラマーが作成するプログラムは、以下のように、あらゆる機器や場所で使われており私たちの生活に欠かせません。

  • Webサイト
  • スマートフォン
  • 物流
  • 金融
  • 家電製品
  • ゲーム

プログラミング以外に、アプリやシステムに不具合が生じた際の分析や原因究明を行うのもプログラマーの仕事です。現代におけるIT社会には欠かせない職業といえるでしょう。

プログラマーとは

プログラマーの仕事は、プログラムを作ることです。プログラムとは、コンピュータに情報処理を行わせるための手順を記載したものであり、コンピュータが理解できる言葉を使って指示どおりに動作させる命令書を作成します。

たとえばコンピュータは「歩く」の意味がわかりません。動作に必要な情報を順番に指示する必要があり「まず右の足を前に出す→次に左の足を前に出す」のように伝達します。もちろん右が何か、左が何かも伝えなくてはいけません。

交差点では止まる、信号が青だったら進めるなど、一つひとつの動作を順番に組み入れます。つまりプログラマーの仕事は「プログラムを書く=コンピュータが動く手順を作成する」ことで、動作を指定するのに必要なのがプログラミング言語です。

エンジニアとプログラマーの違い

エンジニアとプログラマーの違いは次のように説明できます。

  • エンジニア:システム全体の設計を考える
  • プログラマー:設計をもとにプログラムを作成する

エンジニアとプログラマーは、建築士と大工の関係といえるでしょう。エンジニアはIT知識をもつ技術者の総称で、エンジニアのなかにプログラマーが入ります。

エンジニアの中でもシステムエンジニア(SE)は、システム開発全体を取り仕切る人と解釈できます。お客様の要望を沿って設計書を作成するのが仕事です。

プログラマーは設計書をもとに、実際のプログラムを作成します。プログラミング言語を使ってコーディングするのが仕事です。

ちなみにコーディングとは、プログラミング言語の語彙や文法に従いコンピュータが解釈できるコードcode(符号)にすること。

アプリやシステムの実装には、エンジニアとプログラマーの双方が必要なのです。

プログラマーの仕事の将来性とは?

IT化が加速する現代社会では、プログラマーの需要がさらに増していくでしょう。プログラマーの人材不足は年々加速し、2030年には最大80万人近く不足すると予想されています。

 

引用元: IT 人材需給に関する調査 - 調査報告書 – 経済産業省委託調査(2019みずほ情報総研株式会社)

IT業界における深刻な人材不足を解消すべく、国を上げてIT技術者の育成が必要となっているため、プログラマーの将来性は高いといえます。

また、IT化の加速はシステム開発の高度化につながっています。プログラマーの需要が高まるとともに、新技術に対応できる高度なスキルを身につけることが必要です。

仕様どおりに収まるプログラミングだけではなく、システムの改善や開発を提案できるプログラマーが求められているのです。

プログラマーに向いている人の特徴

子どもがプログラマーになりたいと思っている場合、向いているかどうか親として気になるところでしょう。ほかの職業と同じように、プログラマーにも向き不向きがあります。

プログラマーはエンジニアの設計書にもとづき、プログラミング言語を使ってコンピュータが作動するようにプログラムを作成する必要があります。

緻密で注意力を要する作業です。少しでもミスがあればコンピュータは誤作動し、使う人の安全を確保できません。

本章では、仕事内容からプログラマーに向いている9つの特徴を解説します。

1.集中力が高い

1つのことに没頭できる子どもは、プログラマーに向いています。プログラマーの仕事の一つにコードを書くことがあります。コードはコンピュータが正しく解釈するために必要な符号です。

コードが間違っていればコンピュータは正しく動きませんし、誤作動の原因になります。大量のコードを一定間で正しく入力するには高い集中力が必要でしょう。

時間内で勉強や仕事のタスクを集中してこなせる子どもは、プログラマーに向いているといえます。

2.論理的思考力が高い

物事の因果関係を把握したり、目的を達成するまでの道筋を論理的に組み立てたりできる子どもは、プログラマーに向いています。

プログラマーは「コードを〇〇にしたらコンピュータは△△に動くだろう」「このコードはどうして〇〇になるのか」と考えながら行う仕事です。自分が正しくコードを入力したと思っても、コンピュータが正しく作動しないかもしれません。

作動しない理由をたどるのに必要なのは論理的思考力です。見える結果から見えない原因を探る力がある子どもは、プログラマーの素質があるといえるでしょう。

3.問題解決能力が高い

問題が生じた際にどう対応すればいいのか、解決に向けた手立てを提案できる子どもは、プログラマーに向いています。プログラミングで課題解決する場合「1つの正解」しかないケースはまれかもしれません。

たとえば、コンピュータの不具合を解決するのにAかBのプログラミングがあったとします。両者のマイナス点を洗い出したり無駄をそぎ落としたりするうちに、もっと効率的なCの方法を見つける可能性があります。

問題が生じた際「より効率的で高いパフォーマンスを生む方法はないか」と探求する力は、プログラマーに必要な能力でしょう。

4.英語に抵抗感がない・苦手意識がない

プログラマーの仕事内容から理系をイメージする人が多いのではないでしょうか。実はプログラマーに文系・理系はあまり関係ありません。文系出身者でプログラマーになっている人はいます。

とくに文系で英語が得意な人は、プログラミングに向いています。というのも、プログラミング言語は英語がベースになっているからです。

ただ、現役プログラマーの中には、以前、英語が苦手であった人もいます。いずれにしても、英語に対する抵抗感が少ない人のほうが、プログラマーに適しているといえるでしょう。

5.注意力がある

うっかりミスが少ない、提出物に漏れがないなど、注意力がある子どもはプログラマーに向いています。

プログラミングは、エンジニアからもらった設計書どおりにプログラムを作成します。設計書の内容を忠実に理解するだけではなく、実際の作業に緻密さと丁寧さが求められるでしょう。

「これくらいなら大丈夫だろう」と思う子どもは向いていないかもしれません。なぜなら少しでもミスをすれば、コンピュータが誤作動する可能性があるからです。

6.好奇心が旺盛

プログラマーに向いている人の特徴として、好奇心が旺盛である点は外せないでしょう。とくにIT業界は常に新しさが求められます。同じ作業をくり返せばいいケースはほぼありません。

新しいものが世の中に出ると「これは何だろう?」「あれは面白そう」と興味をもって調べたり入手したりしようとする子どもは、プログラマーに向いています。プログラマーは日々進化し続けないと生き残れないからです。

知らないことに対してすぐに興味を抱く子どもは、プログラマーの素質があるといえるでしょう。

7.一つひとつの物事に妥協しない

扱いにくい子どもの特徴として絶対に妥協しないことが挙げられます。しかし、絶対に妥協しない子どもはプログラマーに向いているかもしれません。

なぜなら、効率的で高い性能を示すプログラムを開発するためには「ここまででいいだろう」「このくらいで大丈夫だろう」という感覚はマイナス要素であるからです。

「ちょっと無駄な動きがあるなあ」「もっとスマートな動きにしたい」と、レベルを高く掲げて追求する子どもは、プログラマーに向いているでしょう。

8.学習意欲が高く、知識欲がある

学習に対する興味や関心が高く、わからないことを知りたいと思う子どもは、プログラマーに向いています。

プログラマーの世界でも上司や先輩から教わることはあるでしょう。しかし、言われたことを正しく丁寧にやるだけではプログラマーとして成長しません。

問題があれば理由を調べたり、コンピュータの性能をよくしたいのであれば改善方法と考えたりするなど、学習意欲の高いほうがプログラマーとして成長し、会社や社会に貢献できる人材となるでしょう。

9.ものづくりが好き

プログラマーの仕事内容は「ものづくり」です。図画工作など、ものづくりが好きな子どもはプログラマーに向いています。

プログラマーはデジタルですが、工芸品や工業製品と同様に、素材や部品(コード)から製品(プログラム)を創り出す仕事です。自分が作成した成果物(プログラム)が報酬やお客様の喜びにつながります。

何かをコツコツと作り続けることに喜びを感じる子どもは、プログラマーの適性があるといえるでしょう。