プログラミング学習は独学でも可能?

IT化が進む昨今、小学校においてもプログラミング学習が取り入れられ、独自のプログラミング教育を推進している学校も増えています。

ただ、親御さんのなかには「学校の一斉授業だけではなく、独学でプログラミングを学べないかしら」と考える方もいるでしょう。最初にお答えすれば、プログラミングを独学でスタートするのは可能です。

独学でプログラミングを習得するにはさまざまな方法があり、目的や個人のレベルによって選択肢がわかれるでしょう。いずれにしても、独学でプログラミングのスキルを身につけるにはコツが必要です。

そこで今回は、小学生向けにプログラミングを独学で学ぶ方法やポイントを解説します。これから独学でプログラミングを始める際の参考にしてみてください。

何から始める?プログラミング学習の第一歩

はじめに、プログラミングを独学で始める場合のポイントを解説します。

独学でプログラミングを習得したい場合「何から始めたらいいの?」と思うでしょう。結論、プログラミングを学ぶときに確認しておくべきことは3つあります。

  1. プログラミングの目的
  2. プログラミングを習得するまでの期間
  3. プログラミングの学習内容

独学でプログラミングを始める場合は、これら3つをあらかじめ想定しておきましょう。

プログラミングで「何をしたいのか」を決める

プログラミングを独学で始める際、最初に確認したいことは、プログラミングを学ぶ目的です。とくに独学でプログラミングを学ぶ目的があやふやな場合、難題にぶつかったときに途中で挫折するかもしれません。

ただ、独学でプログラミングを学び始めるときは、抽象的な目的ではなく具体性のある方が子どものモチベーションにつながります。
たとえば「ゲームやアニメーションを作りたい」「ロボットを動かしたい」など、プログラミングを学んだ成果がイメージしやすいものにしましょう。

プログラミングを「いつまでに習得したいのか」を決める

次に、独学でプログラミングを習得する期間を設定します。1年後なのか、あるいは5年後なのかによってプログラミングを学ぶスピードや内容は変わるでしょう。

独学の設定期間が長ければプログラミング学習にゆとりをもって取り組めます。逆に独学で一気に仕上げたいと思えば、長期休暇を利用して集中して学ぶことが必要です。

ただ、あまりにも短いスパンで独学させようとすれば、プログラミングのスキルが身につかないかもしれません。親としては子どもの特性や性質に合わせて、無理のない日程でプログラミングの習得を図るようにしましょう。

子どもが興味を持っているものを通してプログラミングの概念を教える

独学でプログラミングを始める目的や期間を決めたところで学習内容を選定します。この際、子どもの興味に合わせてプログラミングの概念を教えましょう。

ロボットに興味のある子どもであれば「ロボットはパソコンで作られたプログラムにしたがって動く」と伝えます。歩行の動きを細分化し、順番にプログラミング言語を並べる必要があるところまで説明するのです。

独学であってもプログラミングの概念を教えることで、子どもは見通しをもってプログラミングを学べるでしょう。

独学でプログラミングを学ぶメリット

小学校でプログラミングの授業を受ける場合、質問があればすぐに対応してもらえるでしょう。一方で独学の場合は簡単に質問できません。ただ、独学ならではのメリットがあるのも事実で、今回は以下の3つを取り上げます。

  • 経済的コストを抑えられる
  • マイペースに学べる
  • 達成感や自信が得られる

つまり、プログラミングを独学で始める場合、コストを削減しながらいつでもどこでもマイペースに学べます。自分なりに試行錯誤をくり返しながら課題を解決できたときは、独学ならではの満足感を得られるでしょう。

それぞれのメリットについてもう少し詳しく解説します。

経済的コストを抑えられる

プログラミングスクールに通塾せず、学習書や無料サイトなどを利用して独学でプログラミングを学べば経済的コストを抑えられます。

たとえば小学生向けのプログラミングスクール代は、7,000円から18,000円(月4回)ほどです。このほか、入学金や教材費、教室によってはタブレットやパソコン代が加算されるでしょう。

無料教材を使って独学でプログラミングを学ぶとなれば、初期費用のみでその後はほぼ無料。レベルアップ用の教材を購入するとしても、独学の場合はプログラミングスクールより費用を安く抑えられます。

マイペースに学べる

どのようなスキルを身につけるにしろ、独学であればマイペースで学習できます。しかし、学校やプログラミングスクールで一斉学習を受ける場合は、周囲のペースに合わせなければなりません。

子どもによってはプログラミングの習得が早く、どんどん先へ進みたいときもあるでしょう。逆に習得に時間がかかり、スローペースでプログラミング学習を進めたい子どももいます。

独学でプログラミングを学べば個人のぺースに合わせた学習が可能になり、プログラミングスキルを定着させられます。

達成感や自信が得られる

独学によるプログラミング学習では、課題解決までの道のりが長い傾向にあります。しかしその分、大きな達成感や自信が得られるでしょう。

集団で学ぶ場合は、先生や仲間と一緒に困難を乗り越える機会を得られるため、独学と同じように達成感を味わえるはずです。

両者の違いは達成感や自信の度合い。つまり、プログラミングを独学で習得できたときは「100%すべて一人でやり遂げた」感覚を強く味わえ、積み上げた経験がすべて自信につながるといえます。

【小学生向け】プログラミングの独学方法

小学生がプログラミングを独学で始める場合、自宅でコストを抑えながらプログラミングを学ぶのは可能です。

しかし、家庭学習と通塾を同時進行させる方法もあります。また、プログラミング学習アプリや動画サイトは、プログラミングを独学で習得する際に有効に使えるでしょう。

そのほか、ゲームが好きな子どもの場合、ブラウザゲームでプログラミング学習を独学で進めるのもおすすめです。ここではプログラミングの独学方法として6つ紹介します。

プログラミングスクール

プログラミングスクールの中には、グループ学習のほか独学で習得する仕組みやカリキュラムを設定しているところがあります。独学の学習システムを利用すれば、個人の目的やレベルに応じてプログラミングを学び、集団では味わえない満足感を得られるでしょう。

ただ、自宅で取り組む独学とは異なり、コストがかかります。具体的な費用についてはスクールに問い合わせると同時に、プログラミングの目的や子どもの特性に合わせて選ぶようにしましょう。

プログラミング学習アプリ

独学でプログラミングを習得したい場合、プログラミング学習アプリを活用するのも一手です。プログラミング学習アプリは無料で提供されているものが多く、子どもにも扱いやすい内容となっています。

たとえばScratchは、指示が書かれたブロックを組み合わせてプログラミングするのが特徴で、独自のゲームやアニメーションを作れます。
ScratchJrはScratchよりも直感的に操作できるため、プログラミングを初めて学ぶ小学生低学年に適しているでしょう。

YouTubeのような動画サイト

YouTubeをはじめとする無料動画サイトも、独学でプログラミングを学びたい子どもにおすすめです。動画は視覚と聴覚の両方を使いながらプログラミングを学べるため、独学でも理解しやすいのがメリットです。

ほかのメリットとして、いつでもどこでもくり返して視聴できる点が挙げられるでしょう。一度視聴してわからなければ何度でも確認できる動画サイトは、独学の際に安心できる学習教材といえます。

学習用のブラウザゲーム

学習用のブラウザゲームがあれば、楽しみながらプログラミングを習得できます。加えて、プログラミングの概念を基礎から学べるため、独学でプログラミングを始める際の適した媒体といえるでしょう。

たとえば、Springinはプログラミング言語を使わずに絵や写真でゲームを作れるものとなっています。ほかにCodeMonkeyは、コードでキャラクターを動かしながらプログラミングを学べるサービスです。

いずれも小学生が直感的に操作でき、独学でも楽しくプログラミングを習得することができます。

オンラインスクール

オンラインスクールは、通塾にかける時間を減らし、好きな時間に独学でプログラミングを習得したい場合に適しています。また、わからない点をその場で質問できるため、スムーズに独学を進められるでしょう。

ほかに、プログラミング学習者に合わせたオーダーメイド型のカリキュラムが用意されている点も魅力的です。「ゲームやロボットを作りたい」と伝えれば、それに合わせたプログラミングの学習内容を提示してくれます。

独学かつ設定期間内で確実にプログラミングを習得したい場合は、オンラインスクールを活用してみると良いでしょう。

子ども向け学習書

小学生向けの学習書は、独学でプログラミングを始める際に有効です。プログラミングの概要を書籍で学んでから、アプリや動画を使って理解を深めるイメージで活用しましょう。

プログラミング学習サイトを独学で利用する際も、学習書を手元に置きプログラミング知識を確認しながら進めていくと理解しやすくなります。プログラミングの学習サイトでわからない点があれば、学習書に戻って内容を確認できるでしょう。

以上の理由で、独学でプログラミングを始める際は子ども向け学習書を購入し、学習書とサイトを併用しながら学ぶのをおすすめします。