勉強が嫌いな子どもにとって、勉強をすることはストレスの原因です。ときには「勉強したくない!」と親を困らせることもあるでしょう。今回は、勉強したくない子どもの心理や対処法をご紹介します。子どもを理解し寄り添い、子どもの特性や性格にあったアプローチしていきましょう。子どもがなぜ勉強を嫌っているか、原因を理解することが大切です。

子どもの勉強嫌いを放っておくとどうなる?

ここでは、子どもの勉強嫌いを放っておくことで生じる弊害について解説します。ストレスマネジメントにおいては「嫌なことは無理にやらない」のがルールですが、子ども時代の学習の場合、話は別です。勉強を放棄するデメリットを理解し、改善方法につなげていきましょう。

授業についていけなくなる

子どもの勉強嫌いを放っておくと、学校の授業についていけなくなる可能性があります。周りと比べて成績が落ちると劣等感を抱き、勉強について友達と同じ目線でコミュニケーションを取れなくなってしまうかもしれません。

積み重なった劣等感は大きなコンプレックスに変わり、勉強ができない自分と向き合えなくなることも。学校の勉強がわからなくなると通学すらも大きなストレスになり、さらに勉強嫌いになるという負のループに陥ることにもなりかねません。

勉強への苦手意識が強くなっていく

勉強したくない子どもを放置していると、勉強への苦手意識がどんどん強くなっていくでしょう。そもそも子どもが勉強したくない理由はさまざまですが、理由の一つに勉強に対するストレスがあることが考えられます。

ストレスを避けるのは人間として自然なことです。しかし子どもが勉強を避ける場合は、勉強への苦手意識が強まり、時間が経過するほど勉強を避けてしまいがちになることも。やらないから苦手なまま、苦手だからやらない、の悪循環になってしまいます。

受験でつまづく可能性が高くなる

勉強したくない子どもをそのままにしておくと、将来的に受験でつまづく可能性が高まります。子どもによっては、受験期間に入って初めてまともに勉強と向かい合う場合もあるでしょう。

「頑張って勉強すれば追いつく」と思っている子どももいますが、勉強するという習慣はコツコツと積み重ねないと身に付きません。長時間勉強に集中できず、学びが身に付かないまま貴重な時間が過ぎ去ってしまいます。

将来の選択肢が狭まる

勉強したくない子どもを楽観していると、子どもの将来の選択肢が狭まります。例えば企業によっては大卒以上の学歴しか受け入れないことも多いものです。

基礎的な学力がないとコミュニケーション能力や語彙力も上がりづらく、面接に失敗してしまったり自己アピールがうまくいかなかったりすることもあるでしょう。

頭ごなしに怒るのは逆効果

子どもが勉強に積極性を持てていない姿を見ると、親としては思わず強い言葉でしかりたくなるものです。しかし頭ごなしに怒るのは、勉強したくないと思っている子どもには逆効果になってしまいます。

基本的に、勉強は子どもにとってストレスの対象です。嫌いなことをやらないからと怒られるのは、大人であっても苦痛を感じるものです。「やらないといけないのはわかっている」という子どもの気持ちを尊重した声掛けが重要になります。

勉強が好きな子どもの特徴

子ども=勉強嫌いというイメージがあるかもしれませんが、中には自ら率先して勉学に励む子どもがいるのも事実です。勉強嫌いの子どもとの違いを明確にした上で、習慣や価値観を見習わせてもらいましょう。

ここでは、勉強が好きな子どもの特徴について解説します。

勉強に楽しさを見いだしている

勉強が好きな子どもは、勉強自体に楽しさを見いだしている傾向にあります。勉強の先にある目標を理解することも大切ですが、ゲームや遊びと同じように「勉強そのものが楽しい」と思えれば、自ら机に向かうでしょう。

例えば、自分の知的好奇心を満足させることに快感を覚えたり、勉強を通して自分の成長を実感できたりすると、勉強が楽しくなり学力向上につながります。

勉強することのメリットを理解している

子ども自身が勉強することのメリットを理解していると、自主的に学習するでしょう。目的もなく義務感だけで勉強している子どもと、夢や目標の実現のために勉強を手段として活用している子どもでは、同じ学習内容でも理解度が異なります。

勉強の目標は成績を上げることだけではなく、将来の選択肢を広げるためでもあります。また勉強することでコミュニケーション能力や語彙力、読解力が身につくでしょう。子どもが客観的に自分を観察できる能力を持っていると、自身の成長が実感でき、メリットをさらに自覚できるに違いありません。

よい人間関係を築いている

良好な人間関係を築けている子どもは、勉強が好きな子どもの特徴の一つです。例えば友達関係が良好だと、お互いに励まし合いながら勉強を頑張れます。もともとやる気がない子どもでも、友達が頑張っている姿を見て自分も感化されるのは珍しくありません。

親子関係が良好だと、親からのプレッシャーに動じることなく自分のペースで勉強に臨めます。親の機嫌を取る必要がないため、自分なりの目的を設定して将来を考えられるからです。