子供の頃からITやWebのスキルを学ぶことで、将来的に職業の選択肢が広がります。今回は、子供向けのプログラミング学習のメリットや、プログラミングスキルが活かせる仕事などをご紹介します。保護者自身がプログラミングスキル習得の目的を持つことで、子供のプログラミング学習はよりスムーズで能動的なものとなるでしょう。

文章作成能力・編集能力を養える

プログラミングは専用言語を用いて作業を行います。言語同士を組み合わせて正しい答えを導き出す過程は、日本語や英語などの言語と変わりません。主語・述語・修飾語などを組み合わせていくように、プログラミングではシステムが正しく動作するように言語を扱うのです。 優秀なエンジニアは、ITスキルだけでなく文章力も高いものです。

子供の頃からプログラミングを学ぶことで単語や文節などを適切に配置する能力が上がり、実生活における文章作成能力や編集能力などが養われることでしょう。

コミュニケーション能力が身につく

プログラミングでは、論理的思考力と文章作成能力を同時に養うことが可能です。そのため、実際のコミュニケーションにおいても、感情に流されずに本質を捉えて理路整然と話せる力が身につきます。 思考自体に矛盾がない状態になれるため、相手に気持ちを伝える際にも曖昧な表現になりづらく、伝わりやすい言葉選びや文章構成などができるでしょう。プログラミング的思考により定量化された思考は子供の自信につながり、堂々と自分の意見を伝えられる精神も養えます。

協調性が身につく

プログラミングにおける作業は、一見すると一人で黙々とコードを書いているように見えます。しかしそれは、大きなプロジェクトの中に含まれるひとつの作業でしかありません。プログラミング技術を正しく活かすためには、他のメンバーとの連携が必須となります。 チームのスケジュールや納期に合わせるためには、完璧を求めすぎてはいけない場合もあります。

自分の作業を進めるだけではなくチーム全体のスムーズな連携を子供のうちから意識することで、自然に協調性を身につけられるでしょう。

将来、進む道の幅が広がる

プログラミングスキルを習得できれば、子供が将来的に進む道の幅が広がります。プログラミングスキルは専門技術であり、まったく知識がない状態では手がつけられないようなもの。しかし、子供の頃からの経験と知識があることにより、職業の選択肢が広がっていくのです。 プログラミングとは直接関連性のない職業の場合も、プログラミングスキルがあるというだけでキャリアアップや昇給のチャンスにつながる場合もあります。

また、転職を考えたときにも有利に働き、生涯に渡り人生を支える力になってくれることでしょう。 現代はパソコンの基本スキルが使えて当たり前の時代です。多くのサービスや娯楽がインターネット上に展開されている中で、プログラミングスキルの需要は年々拡大しています。そのような状態にもかかわらずプログラマー市場は世界規模の人材不足に悩まされているため、基本スキルを持っていることは非常に大きなアピールポイントとなるでしょう。

子供の適性がわかる

子供の頃からプログラミングに触れさせることで、子供の適性を知ることができます。例えば、他人に関与されずに黙々と一人で行う作業が好きなのか、効率を求める作業が好きなのか、もしくは他人とコミュニケーションを取ることが好きなのか……。 プログラミングはコードや専門知識だけではなく、ビジネスにおけるオールマイティーな能力が求められます。保護者として見守ることで子供の得意不得意がわかり、適格なアドバイスができるようになるでしょう。

プログラミング学習を活かせる仕事・職業

普段からあまりインターネットに馴染みがない世代にとっては、プログラマーの仕事がどのように世の中に作用しているのか想像しにくいものです。これからの時代に求められるスキルであることはわかっていても、実際の働き方がよくわかりませんよね。 そこでここからは、子供が将来的にプログラミング学習を活かせる仕事や職業を7つご紹介します。

プログラミングスキルを活かす先は、いわゆるプログラマーだけではありません。スキルの会得によって広がる子供の選択肢について、一つひとつ学んでいきましょう。

Webプログラマー

Webプログラマーは、さまざまなWebサービスやシステムの構築を行う職業です。そもそもWebとはインターネット上のさまざまな情報を結び付けるシステムを指しているので、Webプログラマーは拡大の進むIT業界の中心的職業ともいえます。 基本的にシステムエンジニアが作った仕様書に沿ってプログラミング言語を扱い開発や全体管理を行いますが、知識が豊富なWebプログラマーの場合は、エンジニアの代わりに設計することも。

SNSやネットショッピングなどの私たちの生活に身近なコンテンツも、Webプログラマーが構築したプログラムのお陰で利用できているのです。

システムエンジニア(SE)

システムエンジニアは略称で「SE」と呼ばれ、クライアントからのヒアリングやシステムの設計などを行います。クライアントがどのようなサービスやWebサイトを発信したいのかなどを理解し、システムの大枠の設計や、マネジメント業務などを請け負います。 会社やチームによってSEの仕事内容は変わりますが、Webプログラマーがプログラミングをするために必要な設計を行うため、プログラミングスキルは必須です。

Webプログラマーとして経験を積んだ人が、キャリアアップとしてSEになることも珍しくありません。

データサイエンティスト

データサイエンティストは、さまざまなデータを分析することでクライアントやチームに有益な知見を見出し、提供する役割を持ちます。正しくデータを分析するために統計学や情報科学理論など多方面の知見が求められ、プログラミングスキルも必要な知識のひとつとなります。 データを分析するだけではなく収集や処理も行うため、統計解析向けのプログラミング言語である「R言語」が必要となるでしょう。

また「Python」というプログラミング言語もAIをはじめとするさまざまなIT分野で使われており、これらに関する基本的な知識をつけていることが前提である職種となります。

アプリケーションエンジニア

アプリケーションエンジニアは、ITシステムに含まれるアプリケーションを作るエンジニアです。作成するアプリケーションの分野は幅広く、銀行のATMや自動改札機などのインフラに関わるものから、企業内の業務用システム開発まで多岐に渡ります。 実際にプログラミングを行うのはWebプログラマーであることが多いのですが、アプリケーションエンジニアは一般的なエンジニアと同じようにシステムの設計を担当します。

そのためプログラミングスキルは必須であり、能力が設計精度に直結する職種といえるでしょう。

Webデザイナー

Webデザイナーは、Webサイトのデザインを専門として行う職業です。クライアントがどのようなWebサイトを求めているのかをヒアリングし、要望を叶えながら使いやすさと見やすさを両立させます。プログラミングスキルだけではなく、コミュニケーション能力も求められる職種でしょう。 Webデザイナーになるためには、HTMLやCSSに関する知識が必須です。

プログラミングの入門につながるこれらのスキルを身につけることで、より理想的なデザインを実現できクライアントの要望に応えやすくなります。同じWebデザイナーでも、プログラミング知識の有無で需要や収入などが変動するのです。

UI/UXデザイナー

UIとはユーザーインターフェースの略称で、ユーザーとサービスとの接点のこと。Webサイトにおける使いやすさや、見た目などを表す言葉です。また、UXとはユーザーエクスペリエンスの略称で、実際にユーザーがサービスに触れたときに得られる体験のことを指しています。 UI/UXデザイナーはこれらをデザインする仕事であり、デザインスキルやコーディングスキル、プログラミングスキルなどを用いてユーザーの満足度や成果を上げる役割を持ちます。

Webデザイナーと同様に、プログラミングスキルを持つことで活躍の幅が広がる職業だといえるでしょう。

編集者

Webにおける編集者とは、コンバージョンする(成果に転換する)コンテンツを供給し続ける仕事です。企画立案やスケジュール管理だけではなく、マーケティングやライティングなどを行う場合もあります。 プログラミングスキルを持っていることで、サイトの設計やデザイン、ディレクションなども自分でこなせます。プログラマーやデザイナーへの指摘もより的確なものとなり、スピード感と説得力のあるプロジェクト進行が期待できるでしょう。