グローバル化や小学校の英語必修化を背景に、中学受験の試験科目に英語を導入する学校が増えています。また、今後も中学受験に英語を導入する学校は増えると予想されます。まずは志望校の入試要項をしっかり確かめることが重要です。そのうえで、中学受験の英語対策について考えていきましょう。
今回は、中学受験を控える子どもをもつ保護者の方々に、英語入試の動向や入試に必要な英語スキルを身につける方法について解説します。
長文の読解力を身につけるため、洋書を読む
英文や文法の基礎力は長文の読解力につながります。長文読解に必要なのは、単語力と文法力に加えて想像力です。想像力とは次の2点をさします。
- 筆者が伝えようとすることを想像する
- 文脈に隠された意図を考える
長文読解は、単語力、文法力、想像力が必要であり、これら3つの力を身につけるためには洋書を読むのがおすすめです。筆者の伝えたい内容を英語でまとめられれば、読解力に加えて要約や英作文の力も身につけられます。また、中学受験の勉強に洋書を使うと、入学後の英語力向上に役立ちます。
英会話スクールに通う
中学受験対策として英会話スクールに通う受験生もいます。自宅内で英語力をつけるのに不安を抱く受験生も多く、自宅以外のリアルな場で勉強するのが必要だと感じるからです。
中学受験の英語対策として英会話スクールに通うメリットは、以下のとおりです。
- 英語特有の発音やリズムに慣れ親しむ
- 単語や文法を覚えるより慣れる
- 海外の人と接するときの抵抗感がなくなる
早いうちから英語の発音やリズムに慣れると、抵抗感なく英語を学べます。単語や文法を理屈ではなく直感的に学べるため、習得も早いでしょう。
英会話を取り入れたスクール・習い事で楽しく学ぶ
「楽しく」学べるのは、中学受験に向けた取り組みとして貴重です。学習塾では左脳的な学びが主流ですが、英会話スクールでは右脳的に学べます。
小学校での英語必修化や大学受験の英語が難しいことなど、中学受験に英語が導入された背景はさまざまですがただ、英語を学ぶのは人々と楽しくコミュニケーションをとるのが目的です。英単語や文法を覚えても人とやり取りできなければ意味がありません。また、中学受験のためとはいえ、学ぶ楽しさを味わえるのは多感な時期に必要な経験でしょう。
難しく考えすぎず、子供の自主性を大切にしよう
中学受験で英語が導入されたのは、グローバル社会を生きる子供たちが、自分の力を十分発揮し多様な人々と楽しく生きられるようにするためです。中学受験で合格するために「英語をどう攻略するか」に加え「中学受験を通して学びを深くする(英単語・文法・長文読解・英作文の力を伸ばす)」という視点が必要です。
子どもを置き去りにしないようにしましょう。中学受験や志望校合格の先を見てください。子どもの個性や本質を見極め、子どもの自主性を重んじる姿勢が何より大切です。学びは本来楽しいものです。難しく考えすぎず、どうしたら楽しみながら学べるか、その視点も忘れないようにしましょう。