あらゆるコミュニケーションにおいて「伝える力」は大切です。子どもの伝える力を伸ばすためには、日々のコミュニケーションの中で親がサポートしてあげる必要があります。今回は、人に伝える力を伸ばす方法や、親が子どもの能力を伸ばすためにできるヒントをご紹介します。子どもの個性や性質を尊重しつつ、よりスムーズなコミュニケーションが取れるように手を差しのべていきましょう。
5W1Hを意識して子どもに話しかける
子どもの人に伝える力を養うためには、最も身近な話し相手である親が正しいコミュニケーションをとる必要があります。子どもと話すときに心がけたいのが、コミュニケーションの基本となる5W1Hのテクニックです。
5W1Hとは、次のとおりです。
- When……いつ
- Where……どこで
- Who……誰が
- What……何を
- Why……なぜ
- How……どのように
子どもは親の話し方や言葉のニュアンスを真似るものです。幼稚園や小学校で子どもの話し方を見聞きすると、普段親が子どもにどのように接しているかがわかるともいわれています。親が正しい会話を心がけることで、子どもも自然とわかりやすい話し方をするようになるでしょう。家族だからこそ5W1Hを省略する傾向にあります。子どもの人に伝える力を育てるためには、子どもに対して正しい言葉や文章を使って会話することが大切です。
伝える力を伸ばすために親がしてはいけないNG行動
心に余裕がないとつい子どもに強く当たってしまうこともあるでしょう。ときには心無い言葉を子どもに言ってしまうこともあるのでは。
この章では、子どもの人に伝える力を伸ばすために親がしてはいけない4つの行動をご紹介します。
子どもの話に対して批判的な発言を繰り返す
子どもの人に伝える力を伸ばすためには、子どもの発言にポジティブな言葉で返すことが大切です。決して、批判的な発言を繰り返してはいけません。というのも、親が批判的な発言ばかりしていると子どもは「話してもどうせ怒られる」「否定される」と感じ、会話する意欲が低下してしまいます。
ときに子どもは親に認めてもらうために、本心とは違う意見や感情を表現するようになる可能性があります。これでは健全なコミュニケーションとはいえませんし、本心を人に伝える力が養われません。親の価値観とは違う発言を子どもがしても、まずは子どもの気持ちを尊重して受け入れる姿勢を持ちましょう。
「直そうとしても無駄だ」と決めつけてしまう
人に伝える力を磨くには時間がかかります。親が子どもの伝える能力に対して「直そうとしても無駄だ」と決めつけてしまうと、子どもはやる気をなくしてしまうでしょう。子どもの能力は伸びる可能性を秘めているものです。
子どもの人に伝える力の伸び方は、一人ひとり違います。毎日少しずつ伸びてくる子もいれば、ある日突然グンと伸びる子もいます。また教育の成果が出るまで時間を要する子もいるでしょう。一人ひとりの個性を認め、長い目で見守っていくことが大切です。
子どもが会話したくなくなるほど、質問を詰めてしまう
基本的に子どもは親に自分の話を聞いてもらったり、共感してもらったりすることを好みます。しかしコミュニケーションが親からの一方的なものになってしまうと、「会話したくない」と思ってしまうこともあるでしょう。
代表的なものが質問攻めです。例えば「それってどういうこと?」「なんでそんなことしたの?」「どう思ってるの?」「自分の意見はないの?」など矢継ぎ早に質問されると、怒られているような感覚になってしまいます。人に伝える力を伸ばすためには、子どもの話をしたい気持ちを尊重しましょう。
子どもが伝えられずもどかしくなっている時にしかってしまう
子どもの伝える力を伸ばすためには、子どもの話すペースに合わせて聞いてあげることが大切です。子どもは語彙力や表現力が未熟なため、気持ちを言葉にするのに時間を要します。どのような言葉が気持ちを表現するのに適切か、子ども自身もわからずに困っているのかもしれません。
そのタイミングで親に「黙ってちゃわからないでしょ!」「ちゃんと言葉にしなさい!」と言われると「一生懸命がんばっているのに……」と自分の尊厳を傷つけられたような気持ちになってしまいます。
毎日習慣化させることが大切!
人に伝える力を磨くために大切なポイントは、毎日の習慣化です。例えば、人に伝える力はコミュニケーションの中で育まれます。しかし、一週間に一度思いっきり話すだけではなかなか身につきませんよね。短時間でも毎日子どもと会話して、語彙力や表現力を増やしていくことが大切です。
しつけや学習以外に、会話自体を楽しむ時間を設けましょう。親から注意されたりしかられたりする時間は、会話中であっても子どもにとってはストレスです。反対に「楽しい」と感じることは継続しやすくなります。
子どもにとって何が楽しいのかを考えてコミュニケーションをとるようにしましょう。例えば子どもがゲーム好きなら、操作方法を教えてもらうことで子どもは会話が楽しいと感じるはずです。また、漫画が好きならキャラクターや物語の解説をしてもらうのもよいでしょう。何事も楽しみながら毎日習慣化することを重視してくださいね。