「勉強する意味ってあるの?」「どうして勉強しなくちゃいけないの?」と子どもから質問されたら、返答に困る親御さんもいるのではないでしょうか。
とっさに答えた言葉に子どもが納得の表情を浮かべたらいいのですが、なかなかそうもいきません。そこで今回は、多くの親御さんが悩む「勉強する意味とは?」に対する回答の仕方を解説します。勉強する意味を理解したお子さんの姿をイメージしながら、ぜひ最後までお読みください。
知らないことを知るため
子どもはもともと「知りたい」気持ち、つまり知的好奇心をもっています。子どもが知りたがっているから大人が教えてあげるのも大切。ただ、教わってばかりでは子どもは「つまらない」と思うかもしれません。なぜなら、楽しければさらに知りたい、調べたい、勉強したいという気持ちにつながるからです。知らないことを知ることの楽しさを子どもが味わえるようにすることが非常に重要ともいえます。
勉強する意味とは、学習の根本的な要素である知的好奇心を刺激し、学ぶ意欲を育てる意味が含まれているのです。
努力する力を身につけるため
勉強はスポーツや芸術と同じように、毎日継続することが大切です。プロ野球選手は、例えば「ゴロをキャッチするのが苦手だから」という理由で練習をやめるようなことはしません。自分の競技レベルを上げ、チームが勝つために練習を続けています。
勉強も同じです。苦手な教科はやらないのではなく、どうすればいいのか自分なりに考え、工夫して学び続ける必要があります。逃げるのではなく対処し努力を重ねる姿勢が、将来の自分にプラスに働くのです。
生きていく力を身につけるため
勉強すると、試練や挫折を乗り越えられる力が身につきます。勉強にやる気を持てない子にとっては、毎日学習することはつらいでしょう。しかし、苦手な教科にどう向き合い改善していくのかを考え実行することは、生きる力につながります。
勉強を通して苦難を乗り越える力が身につくという意味でも、学習を続けることには意味があるのです。
好きなことや娯楽を楽しむため
「好きなことや娯楽を楽しむため」にも、勉強は必要となります。たとえばゲームが好きな子が「〇〇ができたら、もっと楽しめるのに」と思う姿を思い描いてください。自分なりにスキル(プログラミングや算数・数学など)を磨きたいと思う姿です。また、釣りが好きな子は、図鑑やインターネットなどで魚の生態や気象条件、釣り具の情報などを調べるかもしれません。調べれば調べるほど奥が深く、派生的に調べたいことが増えていくでしょう。
好きなことや娯楽をさらに楽しむためには、詳しく調べたり勉強したりする必要があると分かれば、子どもはぐんぐん伸びていきます。
自分に自信をもつため
勉強して「できなかったものができるようになる」という経験は、子どもに自信を持たせることにつながります。なかなか解けなかった問題が解けた時などは、何ともいえぬ達成感を感じますよね。
自信や達成感は次へのステップになり「次の問題も解いてみよう」とか「もっと難しい問題に挑戦しよう」などとモチベーションを上げるきっかけになります。勉強することで自分に自信を持てるようになり、ポジティブに毎日を過ごせることでしょう。
困難を乗り越える経験をするため
困難を乗り越えるためには戦略が必要です。戦略とは、目標を明確にし何をどの順番でやるのか判断し実行することです。例えば運動部の子がスランプに陥ったとき、「とにかく練習だ」と伝えるだけではスランプから抜け出せないでしょう。原因を洗い出したり、優先順位をもとに練習計画を立てたりすることが必要となります。
勉強も同様で、うまくいかない場合はやるべきことを書き出したり改善のための数値目標を決めたりする必要があり、そのような行動を通して困難の乗り越え方を学べるのです。これから先の人生で困難に立ち向かう際、勉強は必ず役に立つ経験となるでしょう。
新しい楽しさを見つけるため
勉強をすると、新しい道や見方を発見できます。例えば、通学の際に毎日決まった道を使っていたとしましょう。ある日、何かのきっかけで別の道を通ったところ「この道の方が近いし風景も素敵だ」と気づきました。
勉強も同じように、継続の中に思いもしない気づきを得られる場合があります。そして喜びや楽しさを得るには、日々の積み重ねが必要なのです。
子どもに勉強する意味を伝えるときの注意点
ここからは、「なぜ勉強するべきか?」という子どもの素直な疑問に答えるときの注意点について解説します。子どもの自尊心を傷つけたり、大人の都合を押し付けたりすることなく勉強する意味を伝えましょう。