読解力は、社会のあらゆるシーンや仕事において必要になる能力です。文章を扱う場面以外でも、読解力があることでコミュニケーションが円滑になったり、会話や文章の内容を正しく理解できたりすることにつながります。今回は、子供が読解力を身につける方法や読解力を鍛えるコツをご紹介します。子供の好奇心を尊重しながら、楽しく読解力を鍛えていきましょう。

大切なのは“読む力”。まずは集中力を高めよう!

世の中には数多くの仕事が存在していますが、どの仕事にも共通して必要になる能力が読解力となります。読解力は文章に関わる仕事だけではなく、数字を扱う仕事や体を使う仕事など、すべての仕事で求められます。

雇用契約書やマニュアル、レギュレーション、仕様書・発注書、仕事のメールやチャット……。職種によっては、実際の作業でテキストに向き合うことは少ないかもしれません。しかし、最低限の読解力がなければ円滑に働くことは困難でしょう。読解力は大人になっても鍛えられますが、子供時代から鍛えることで育みやすくなります。幼少期から集中力を高めてトレーニングすることで、高い読解力が身についていくでしょう。

読解力とは

読解力とは、ただ文章を速く読む能力ではありません。文章を読んで、その内容を正しく理解する力を指します。例えば、本や小説では前後の文章からシチュエーションや心の動きを想像し、同じ単語でも違う意味を持つことを理解する必要があります。

読解力を身につけると文章を即座に理解でき、要点や質問すべき点などを自分で見つけられるでしょう。子供の頃から読解力を鍛えることで、詐欺に遭いづらくなったり不利な契約を退けたりすることにもつながります。読解力を鍛えるためには、文章を読む力以外も必要です。語彙力や想像力、他人を思いやる気持ち、論理的思考力などが求められ、それらの能力が複合的に合わさることで読解力を鍛えることができるのです。

子供の読解力を鍛える方法・ポイント

子供の読解力を鍛えるためには、子供自身に読書やテキストを読む習慣を身につけさせる必要があります。ただし、読書が勉強として義務化されたり、保護者や学校から強制されたりした場合は、学習に消極的になってしまうでしょう。子供が自ら読書の習慣をつけるためには、子供に「楽しい」「気になる」「好き」などのポジティブな気持ちを芽生えさせることが大切です。

そのためには最初から難しい文学に触れさせるのではなく、ライトノベルや子供用の文庫本などから、本人が率先して読みたがるような作品を選びましょう。自分から積極的に文章に触れることで、後から親が勧めた本でもスムーズに読める読解力の基礎が身につきます。

大人でも、興味がない本や専門書などは「文章は読めても内容が頭に入ってこない」という状態になりますよね。大人よりも語彙力や読解力がない子供であれば尚更です。

漫画やゲームブックなど、一見すると読解力とは関係がないような本でも構いません。まずは、文字を読む習慣を身につけることが大切なのです。さまざまなタイプの文章との触れ合いを通して長文を理解する力を育てつつ、想像力や共感力も鍛えてあげるといいでしょう。

子供が読解力を楽しく身につける5つの習慣

ここからは、子供が読解力を楽しく身につけるために取り入れたい5つの習慣をご紹介します。子供の学習にとって最高のパートナーになるのは、好奇心や「楽しい」という気持ちです。子供の想像力や発想力を尊重しながら、ポジティブな雰囲気で読解力を鍛える時間を設けましょう。

毎日小説を読む時間を作る

子供の読解力を鍛える際は、毎日小説を読む時間を作ることをおすすめします。読解力は小さな訓練をコツコツと積み上げることで上げられるため、一日数ページでもコンスタントに小説に触れさせることで、少しずつ学習効果が出てきます。

子供だけに強制的に本を読ませると読書自体に嫌悪感を抱いてしまう可能性があるため、保護者も一緒に小説を読む時間を作るといいでしょう。なお、子供の「もっと読みたい」という気持ちを刺激するため、あえて読書時間に制限を設けることもおすすめです。もちろん、子供が求めれば時間を延長しても構いません。