勉強や将来に役立つ!思考力とは?

子どもの学力向上には、思考力が重要な要素です。思考力とは「自分の経験や知識をもとに考える力」であり、学校だけではなく社会に出てからも必要な能力です。コミュニケーション能力や想像力など、幅広い能力が思考力と紐づいています。

考える力が強い子どもは感情的になりづらく、自分の心をコントロールした上で上手に自己主張できるでしょう。また相手の思考や感情を考えられるため思いやりの心があり、相手の立場に立ったコミュニケーションが図れる傾向にあります。

今回は思考力がある子どもの特徴や、思考力を養うために取り入れたいゲームなどをご紹介します。物事を深く考える力を身につければ、日頃の授業や習い事での学習効果も上がります。子どもの視点に立ちながら、親子で楽しく思考力のトレーニングをしていきましょう。

自分で考える力がある子どもの特徴

ここでは、自分で考える力がある子どもの特徴をご紹介します。思考力の強さは、テストや点数などで簡単に測れるものではありません。学習面以外の子どもの様子にも目を向けながら、個性を引き出すきっかけを探していきましょう。

想像力が豊か

自分で考える力がある子どもは、想像力が豊かな傾向にあります。想像力とは、手持ちの知識や情報から実現可能な物事を想起する力です。思考力と想像力は本質的な部分で似通っており、想像力が高い子どもは感情や情報を頭の中で分析する力を持っています。

絵画や工作などのクリエイティブな行為を好み、子どもの頃から独特なファッションセンスを持つ子も少なくありません。また人の立場に立って考える力があり、感受性が豊かです。そのため、小さなことで傷ついてしまう子どもがいるでしょう。

コミュニケーション能力が高い

思考力に優れた子どもはコミュニケーション能力が高く、周囲とも円滑な関係を築けます。考える力がある子どもは「この言い方をしたら相手を傷つけてしまうかもしれない」や「相手が求めている言葉はこれだろうな」などのように、相手の気持ちを考えて行動できます。

直情的なコミュニケーションを好まず、理性を以てしっかりと対話できる関係性を望む子どもが多いでしょう。その結果、必要以上に気を使いすぎてストレスをためてしまうこともあります。相手の機嫌を取るのがうまく、教師や大人に気に入られやすい子も少なくありません。

感情に流されづらい

思考力が高い子どもは、自分の感情に飲み込まれることなく、常に冷静さを保つことができます。人間が怒りや悲しみのようなネガティブな感情に支配される理由の一つが、自分の感情を明確に説明できないからです。一過性の激しい感情に飲み込まれ、考えるよりも先に怒鳴ってしまったり、必要以上に悲観的になってしまったりするのです。

思考力が高い子どもは、ショッキングな事態に直面しても「この人はなぜ攻撃的なんだろう?」「自分が傷ついていることを相手に伝えるためにはどうすればいいんだろう?」などのように、一歩引いて自分を観察できます。感情に支配されずにコントロールできるため、常に自分らしさを見失わずにいられるでしょう。

子どもが自分で考える力を伸ばす4つの方法

ここでは、子どもが自分で考える力を伸ばすための方法をご紹介します。考える力は家庭内での接し方次第で伸ばすことが可能です。子どもに思考する機会を与え、周りに流されない心を養えるようサポートしましょう。思考する習慣が増えることで、今まで以上に自分らしさや個性を獲得できます。

自分の意見で考える機会を増やす

子どもの自分で考える力を伸ばすためには、子ども自身の意見で考える機会を増やすことをおすすめします。例えば夕食の献立を決める際も「今日は何が食べたい?」のように子どもの意見を参考にしてみましょう。

「はい」か「いいえ」のみで答えられるクローズドクエスチョンではなく、自由な回答ができるオープンクエスチョンを心がけます。子どもが回答に困っているようなら、AorBのように選択肢を提示してあげましょう。自分で考える習慣に慣れてきたら、少しずつオープンクエスチョンの頻度を上げることが大切です。

有言実行を重要視する

子どもが有言実行を重要視することで、一つひとつの発言に責任を持つようになります。例えば「毎日必ず1時間勉強するからおもちゃを買って!」とお願いされたとしても、これから何年間も必ず1時間勉強できるとは限りませんよね。

「本当にできることだけを言ってみて」と伝えると、子どもはしっかりと考えます。理想と現実を照らし合わせ、自分を客観視する時間が子どもに与えることが必要です。無茶な主張よりも実現性の高い思考を持つことが大切だと教え、現実の自分と対峙する機会を増やしていきましょう。

さまざまな創作物と触れ合う

思考力を高めるためには、さまざまな創作物と触れ合うことが重要です。漫画・ドラマ・映画・ゲーム・小説など幅広いジャンルのフィクションに触れ、多様な価値観を学んでいきましょう。

「自分の考えだけがすべてではない」と子どもが認識することで、実際のコミュニケーションも変化します。視野の広がりは思考力に直結し、物事を一歩引いて考えられる客観性や冷静さが身につくでしょう。

子どもの興味・関心を尊重する

子どもの考える力を高めるためには、子ども自身が抱いている興味や関心を尊重することが大切です。子どもが興味を持っている対象を否定せずに、学ぶことの楽しさを認識してもらいましょう。興味の対象が親の望むものではなかったとしても、まずは見守る意識を持ってください。

「楽しい」「面白い」などの明るい感情は、学習効果を上げるための最も重要な要素です。学習行為そのものにポジティブな印象を持ってもらうことで、思考が習慣化されやすくなります。まずは子ども主体の思考習慣が身につくと、スムーズに学問に取り組むことができるでしょう。