「子どもがなかなか勉強してくれないし集中力がない」と悩む親御さんは、多いのではないでしょうか?受験生であれば、なおさら心配になりますよね。

  • 子どもに原因があるのだろうか?
  • 集中力をつけるためには何が大切?
  • 親はどのようなサポートをすればいいのか?

今回はこれらの疑問にお答えするために、集中力が続かない原因や集中力を高める方法などについてご紹介します。

子どもの集中力がアップすることで得られるメリット

本章では、集中力をアップすることで得られるメリットを説明します。集中力を高めて得られるメリットがわかれば、親が子どもをサポートする際に必要な方向性が定まります。本章で集中力アップのメリットをしっかりと確認し、子どもの学習に活かしましょう。

短時間で大きな学習効果を得られる

集中力をアップさせると、短時間で大きな学習効果を得られるようになります。

  • タイムリミットを決めて、その時間内で学習する
  • 優先順位を決めて学習を進めたり複数の教科を同時にこなしたりする
  • オンとオフをスパッと切り替えて学習できる

上記のような勉強の仕方ができるようになり、効率良く学習を進められるでしょう。

経験を積み重ねることで集中力はどんどん向上していき、集中力がアップすればするほど、さらに短時間で理解度を高められる状態となります。

ケアレスミスが減る

集中力がアップすると、注視する力が高まるためケアレスミスが減ります。

昨今研究が進んでいる認知科学では、「人は世界をそのまま見ているようで見ていない」とされています。これは、「見ているものは眼ではなく脳である」という意味です。例えば不安や悩みなどで注意力が散漫になると、目視を怠るためミスが生まれると考えられています。

一方、集中力を高められれば、物事を注意深く観察するためケアレスミスを減らせるのです。試験でやりがちなマークミスや誤字脱字なども、集中力をアップさせることで起こりにくくなるでしょう。

納得感や達成感が生まれる

集中力を保ったり高めたりすることで、想像以上の良い結果を手にできることがあります。例えば、

  • 毛筆の清書で集中したら今までで最高の字が書けた
  • 一打逆転のチャンスに集中したらホームランを打てた
  • あと5分しかなかったけど集中したら全問解けた

などの経験をしたことがある人もいるでしょう。

集中力を高めると良い結果が生まれ、納得感や達成感につながります。そして成功体験がエネルギーとなり、集中力をさらに向上するといった正のスパイラルにもなり得るのです。

集中力が続かない子どもに生じるデメリット

集中力が続かない子どもは、学習目標に到達できず不満が残ったままになります。またミスが増え、親や先生から叱られるため憂うつな気持ちになるでしょう。

人からの評価だけでなく自分に対する評価も下がり続けるかもしれません。心身にかかるストレスは大きくなり、いつも暗い表情で生活するなど、集中力が続かない場合のデメリットは大きいといえます。

いつまでも学習が先に進まない

集中力がなく何もやる気になれないとなれば、学習の進度に遅れが生じます。例えば、スマホやゲームを手にすれば時間はあっという間にたち、まったく勉強しなかった……という状態になるでしょう。

どうしたらいいかと悩んでも時間は戻らず、学習すべき内容はどんどん増えていくため、さらにやる気が失われます。集中力が続かないと負の連鎖から抜け出すのに苦労してしまうため、いつまで経っても学習が進まない状況になってしまうのです。

重要な場面でミスをしてしまう可能性がある

集中して学習する場合、相乗効果で注意力も上がるためミスをすることはありません。しかし、集中力が低下するとミスが増え、重要な場面で大きなミスをしてしまうこともあります。

  • 〇✖問題で意味を取り違えて反対の回答をしてしまった
  • マークシートの解答箇所が1つずつズレていた

上記のように入試問題などで大きなミスをしてしまうことは致命的で、大きな後悔につながるでしょう。

学習がストレスの原因になってしまう

集中力がなかなか続かない場合、学習効果が上がらずミスも増えるため、学習にストレスを感じるようになります。

強いストレスを感じたままでは良い状態で学習に向かえず、集中力は低下する一方です。はじめは苦手教科だけに対して抱えていたストレスが、得意教科にまで影響を与えるかもしれません。得意教科で成績が思うように伸びなければ、かろうじて保っていた自信も失われるため、大きなデメリットであると考えられるでしょう。

何をやっても集中してくれない時は?

親が「何とかしたい」と思い理想の環境づくりに努めたとしても、子どもの集中力に改善の兆しが見えない場合もあるかもしれません。

そのような時は、子ども自身が勉強に必要性を感じているかどうかを改めて確認してみましょう。

  • 子どもが集中力を高めることで得られるメリットをわかっているか
  • 子どもが集中力が続かない状態を続けることのデメリットをわかっているか
  • 親は子どもの思いをしっかり理解し、子どもは親の考えを理解しようとしているか

小学生に上記すべてを意識してもらうことは少し難しいかもしれません。しかし、親が子どもの不安や悩みに耳を傾け理解し、親の考えを伝えたり家族みんなで話し合ったりする機会を設けることで、少しずつ勉強に取り組むようになってくれることでしょう。