自分の子どもが小学校受験に向いているかいないか、親としては気になりますよね。

小学校受験の試験科目には、面接や行動観察が含まれます。例えば受験の際、小学校側は「教育方針に合うか」「主体性や協調性があるか」など基準をもとに合否を判断します。親が「自然体のまま」で受験させたいと思っても、小学校側の判断基準によっては不合格となる場合があるでしょう。

どのような子どもが小学校受験に向いているのかを事前に知っておけば、対策を講じることができます。本記事で確認していきましょう。

4.勉強を楽しんでいる

楽しみながら勉強している子どもは、小学校受験に向いているでしょう。勉強を苦に感じないため、親や先生に言われなくても自主的に取り組みますし、勉強した内容もすぐに吸収できます。

「勉強する」つもりでなくても、何かのきっかけで勉強が好きになる場合もあるでしょう。例えば、次のような例です。

  • 魚について図鑑で調べる→水族館が好き
  • 大好きなベート―ベンの伝記を読む→ピアノが好き
  • 投球の種類や打球の高さや飛距離を知りたい→野球が好き

一旦興味をもてば子どもはとことん調べます。勉強の楽しさがわかる子どもはぐんぐん伸びていくでしょう。

5.協調性がある

大人社会と同じように、子ども社会でも協調性は必要です。

同じような価値観をもつ環境で育った子どもが小学校に集まるとはいえ、それぞれ異なる個性をもっています。

お互いに楽しく生活するためには、何かをしてもらったら「ありがとう」、悪いことをしたら「ごめんなさい」と素直に言える姿勢が重要です。

また、自己主張するばかりではなく相手の思いを聞くことも大切です。クラスに協調性のある子どもが多ければ、学習環境もおのずと整うでしょう。

小学校受験に不向きな子どもの特徴

この章で解説する特徴をもっている子どもが、小学校受験に不向きであると断定するものではありません。小学校受験に不向きであるから受験資格はないということではないと認識しておきましょう。

小学校受験のメリットのひとつに、親が多面的に子どもを理解できる点があります。多面的な理解とは、受験に向いていない特徴を含めて子どもを丸ごと受け入れることです。また、小学校受験に不向きな特徴をプラスに転じることも可能です。

具体的に解説します。

1.スポーツなど他に没頭しているものがある

小学校受験に不向きな子どもの特徴は、勉強以外に没頭しているものがあることです。将来プロになるかは別として、没頭しているものにすべてを注ぎたいと考える子どもは、小学校受験に向いていないかもしれません。

例えば、以下のような場面があります。

  • サッカーが好きでたまらないから受験勉強より練習したい
  • ピアノがうまくなりたいから受験勉強の時間がもったいない

勉強をおろそかにするつもりはなく、好きなことにもっと時間をかけたいと思う子どもは少なくないでしょう。

ただ、集中力や根気があれば、勉強との両立を図る原動力になります。不向きから「向いている」に転じるかもしれません。

2.落ち着いて座っていることが苦手

落ち着いて座っていることが苦手な子どもは、小学校受験に向いていないかもしれません。受験当日はもちろん模擬テストでも、一定時間座って受ける必要があるからです。

30分から1時間の作業に集中して取り組める子どもは、勉強する力があると判断されるでしょう。逆にすぐに飽きてしまったり投げ出してしまったりすれば、集中力がないと評価されます。

好きなことに没頭できるから小学校受験に向いていると思っていても、小学校入学後の多様なカリキュラムに落ち着いて取り組めない可能性も。受験するか否か慎重に判断しましょう。

3.両親から言われたことを素直に受け入れることができない

やる気があっても、大人の話を素直に受け入れられない子どもは小学校側から敬遠されるでしょう。

「うちの子は幼稚園の先生の話はよく聞くから大丈夫」と思うかもしれません。確かに家の外でルールさえ守っていればいい、他人に迷惑をかけなければいいという考えもあります。

しかし、親の話を聞いて先生の話を聞かないケースと同様に、相手によって態度を変えるのは、協調性や公平性に欠けると思われるかもしれません。

親が子どもの話に耳を傾けるのは大切ですが、子どもが親の話を聞く姿勢も育てる必要があります。

4.勉強以外に秀でた才能がある

小学校受験を考える場合、子どもの才能をしっかり見極めましょう。勉強以外に秀でた才能があるにもかかわらず受験勉強に特化すれば、子どもの才能の芽を摘んでしまうかもしれません。例えば、次のようにして子どもの才能を見つけてみましょう。

  • 短時間でも座っていられない→水泳は何時間でも練習してタイムを更新する
  • 文字を覚えたり書いたりするのは苦手→楽譜なしで音を頼りにピアノが弾ける
  • 数をうまく数えられない→目にしたものを独特の色彩で表現する

子どもに運動や音楽、絵画などの才能があるのに、小学校受験させたいがために勉強を強いるのはやめましょう。勉強以外の優れた才能を見逃さず大切に育てるのも親の努めなのです。

5.消極的で自ら行動することが苦手

消極的で尻込みしてしまう子どもは、受験勉強に向いていない特徴のひとつです。小学校受験では面接があり、親のサポートが入らないと答えられない子どもは合格する確率が低いかもしれません。

小学校では、主体的な対話を通して学びを深める学習法「アクティブ・ラーニング」を導入しています。消極的な子どもは、この学習法になじめず学び自体に楽しさを見出せなくなることも。

とはいえ、サポートの仕方によっては積極的になれる子どももいるため、消極的であるから受験に不向きと即断しないことが大切です。