小学校受験の対策として幼児教室に通うことを検討し始める親御さんは多いものの、いつから始めればいいのか気になる方も多いでしょう。

小学校受験の試験項目には「行動観察」「ペーパーテスト」「面接」などがあります。また、社会性や知性、感性など総合的に判断されるだけではなく、家庭環境や両親の対応力も加味されます。子供の力や環境づくりは、短期間で形成されるものではありません。小学校受験に向けて早めに情報収集をしたうえで準備を始めるのがいいでしょう。

そこで今回は、小学校受験の準備を始める時期と知っておくべき受験対策に関する情報について解説します。

小学校によっては、中学・高校・大学受験が必要ない

付属小学校なら、中学・高校あるいは大学まで受験の必要ない場合があります。大学入試制度が「未確定」状態のなか、小学校受験を乗り越えれば、あとは受験することなくエスカレーター式に進めるのがメリットです。

希望する小学校に入学できれば、その後はほぼ無試験で進学できます。選考があっても学内試験や成績判断によるため、一般入試に比べれば安心して学びを進められます。とくに課外活動に集中したい場合は小学校受験が選択肢に入るでしょう。なかには、付属学校に進まず、他校や他大学受験を認めている学校もあるため、状況や実力によっては進路変更も可能です。

親子で協力する姿勢が身につけられる

小学校受験という目標に向かって親子で手を取り合い進むのは貴重な経験になります。幼児期は親の支えが必要です。子供にとって、大好きな家族が自分にたくさん関わり励ましてくれるのは何よりもうれしいことでしょう。

応援してくれる大人がいるのは安心であるのと同時に、自己肯定感や信頼関係の構築につながります。親も子供の見方を変えたり言葉かけに気をつけたりする過程を通して成長できます。小学校受験が親子関係づくりを手助けしてくれるのです。

世代を超えたつながりが生まれる

小学校受験で付属小学校を選ぶ場合、中学・高校あるいは大学までつながります。10年以上の間、世代を超えたつながりが生まれるのです。

同年代の友達だけではなく年上や年下と関われるため、さまざまな体験やイベントを通して、年齢に関係なくきずなが深まります。いざというときアドバイスやサポートをしたり、あるいはされたりすると、お互いに安心するでしょう。大人になっても関係が続き、人脈確保も自然の流れとなります。

小学校受験はいつから準備するべき?

小学校受験の準備は、試験本番の約1年前、年中組にあたる4歳の秋ごろから始める家庭が増えています。年長になって準備を始めるのは遅いかもしれません。長男や長女で初めて小学校受験させる場合はすべてが手探りであるため、早めに準備を開始するのがおすすめです。というのも、親も子も気持ちにゆとりがもて焦らずに受験の準備ができるからです。

受験の準備をするとはいえ、教室や個人塾に通わせるのか、自宅でやるのか、いくつか選択肢があります。とくに母親が小学校受験に関わることが多いでしょう。母親が常に在宅しているのか外で勤務しているのかで、受験の準備方法が異なります。

また、小学校受験の試験科目には知識・理解を問うテストや生活習慣・マナーに関する問題があります。実際に何をどのように準備するのかわからない場合は、専門家に相談するのも一手です。物事を理解するスピードには個人差があります。ゆったりと時間をかけて行動する子供であれば早めに早めに準備に取り掛かるのがいいでしょう。子供の性格を把握したうえで小学校受験の準備時期を決めるのが大切です。

これだけは気をつけて!小学校受験の注意事項

小学校受験を考えている親は、子どもの本質を理解し尊重する姿勢が大切です。「自立した子に育てたい」という目的があれば、目的達成に必要なサポートをします。単純に目的が「小学校受験合格」だけでは、子供の成長にマイナスの影響を与えるかもしれません。

たとえ入学できたとしても、学費や通学費用、必要に応じて塾代……となれば費用もかさみます。家計が火の車とならないように、しっかり予算を立てるのが重要です。

この章では、小学校受験の際に知っておくべき5つの注意事項を解説します。

デメリットもしっかり見ておく

小学校受験にもデメリットはあります。親子で成長できると思って小学校受験の準備をしてきたはずです。それなのに親が子供を追い込むばかり。子供は勉強嫌いになり親子関係が悪くなっては本末転倒です。

親の理想と子供が求めるものにギャップがあれば埋めることも必要です。熱心なあまり子供の本音に目をそらさずにしっかり向き合いましょう。「主体的で創造性豊かな子に育てたい」のに「受験合格」だけが目的とならないよう注意する姿勢が大切です。

家庭の教育方針とズレる小学校は受験しない

受験する小学校は、学校の教育方針に家庭を合わせるのではなく、家庭の教育方針が学校に合っているかという視点で選ぶようにしましょう。

入学後の教育方針に親自身が違和感を抱けば子供は迷います。親が〇〇というのに学校の先生は違うことを言う、となれば子供は混乱し大人に不信感を抱くかもしれません。自分らしさが大切にされ、のびのびと小学校生活を過ごせるのが子供にとっての幸せです。受験校の選定は親の最重要課題と捉えて慎重に選びましょう。