去る2020年、小学校でプログラミング学習が必修化され注目を集めました。とはいえ、保護者の中にはプログラミング学習が小学生の子供の能力にどのように影響を与えるかイメージできていない人も多いのではないでしょうか。今回は、小学生からプログラミングを学ぶメリットについてご紹介します。
右脳と左脳が鍛えられる
プログラミングは、右脳と左脳の両方を鍛えられる学習です。コードを書いたり論理的思考力を働かせたりするときには左脳が活発になり、バグが起こった原因を考えたり仕上がりを想像したりするときには右脳が活発になるといわれています。
小学生の頃からプログラミングを学べば、自分の気持ちや発想を言葉にする言語化能力と、自分ならではの考え方を持つために必要な想像力を鍛えられます。どちらも社会で働くうえで必要な能力であり、どちらかのみを鍛えればよいわけではありません。
仲間と成し遂げる達成感が得られる
小学生からプログラミングを学ぶと、仲間とともに目標を成し遂げる達成感が得られます。プログラミングは一人で黙々と進める作業のように思うかもしれませんが、実際に稼働するときにはチームの一員として納期やスケジュールを守ることが大切です。
自分のプログラミングがチームにどのような影響を与えるのかを考えながら、周りと相談したりアイデアを寄せ合ったりして作業を進めます。努力が報われる喜びは他には代えがたいものであり、仲間と喜びを共有できるはずです。
コミュニケーション能力がつく
プログラミングでは仲間と協力し合うことが重要であるため、連携する中でコミュニケーション能力も培われるでしょう。自分の意見を誤解がないように相手に伝える力や、お互いの考えを尊重し合う力が小学生から身につきます。
プログラミングでは、順調なときはもちろん、トラブルが起こったときにもコミュニケーション能力が試されます。仲間内で犯人捜しをするのではなく、お互いに支え合いフォローし合うことで、円滑な人間関係を構築するための必要な能力を会得できるのです。
協調性が身につく
小学生からプログラミングに触れることで、仲間と協力するために必要な協調性が身に付きます。一つのプロジェクトを成功に導くためには、自分だけが満足する作業をしてはいけません。
ときには、不満を抱えながらもチームに貢献することが求められ、抱いた不満を素直に伝える自己表現力も必要です。One for all & All for oneの精神が身につけば、思いやりと仲間意識を持った人間性を育めます。
小学生でプログラミングを学ぶデメリット
小学生からプログラミングを学ぶことは多くのメリットがある反面、特有の注意点も存在しています。
例えば、プログラミング学習はパソコンやタブレットなどの電子機器を用いるため、実際にノートに書いて学ぶ時間が減少してしまうことが挙げられます。電子機器とノートを用いた学習方法は、それぞれメリットやデメリットがあります。「手書きのほうが覚えやすい」子供にとっては、電子機器を用いた学習に慣れるまで時間がかかってしまうこともあるでしょう。
また現代の小学生は、物心が付いた頃から電子機器に触れる機会が多いものです。プログラミング学習を通してデバイスやガジェットに触れる機会がさらに増えるため、悪質なインターネットサイトへアクセスしてしまったり、オンライン特有のいじめが発生してしまったりする可能性がある点も注意すべき事項です。
もちろんこれらの原因は、電子機器やプログラミング学習の責任ではありません。IT技術やガジェットとの付き合い方は、学校や家庭でも教える必要があるでしょう。好奇心旺盛な子供は、プログラミング学習に用いるデバイスを通して、思いもよらない発想をするものです。
さらにプログラミング学習に利用するデバイスは、SNSやYouTubeなど小学生にとって魅力的なプラットフォームにアクセスしやすいため、学習のつもりが遊びの時間になってしまうことも考えられます。インターネットの利用制限をかけたり、保護者が近くで見張ったりするなどの工夫が必要です。
自宅で学ぶ、教室で学ぶ、どちらが早く習得できる?
プログラミングを自宅と教室どちらで学んだほうがよいかは、子供の性格やライフスタイルによって異なります。例えば、プログラミングの教室が自宅から片道1時間かかるような場所にある場合は、往復時間を学習に充てたほうが効率的ですよね。
プログラミングを自宅で学ぶメリットは往復時間を省略できることや、住み慣れた我が家でリラックスした状態で学べることです。人見知りの性格や緊張しやすい性格の子供は、あえて自宅を選択してもよいでしょう。昨今では、在宅学習により新型コロナウイルスの感染予防にもなります。
プログラミングを教室で学ぶメリットは、わからない部分をすぐに質問できたり、リアルなコミュニケーション能力が培われたりする点です。特にグループ学習の場合は、学校とは違う友達ができることで社交性が養われます。
自宅で学ぶメリットと教室で学ぶメリットをそれぞれ理解した上で、小学生の子供の環境や状況にあった学習環境を選択しましょう。プログラミングを自宅で学ぶ場合は、学習時間と休憩時間のメリハリをつけられるように、親がフォローしてあげることも大切です。
よりタメになる!プログラミングの学習方法
プログラミングを学習する際のコツは、スモールステップで成功体験を作っていくことです。プログラミングでは、最初からすべてを理解することは非常に難しいものです。プロとして活躍しているプログラマーでさえも、わからないことは逐一調べながら日々学んでいます。
学習において「わからない」「理解できない」感情は大きなストレスになります。小学生の早い段階からプログラミングにネガティブな印象を抱いてしまうと、後の学習も苦痛になり投げ出してしまうかもしれません。そのため、学習を進めながら小さな成功体験を重ねていくことが非常に重要です。
わからない部分はメモに残し、後から調べて解決する作業を繰り返しながら少しずつ知識を増やしていけるといいですよね。できることが増えていく感覚に楽しさを感じられれば、モチベーションもアップするでしょう。