【この記事の目次】
デザイン思考を身につけるために必要な5つのステップ
将来的に子どもの可能性を広げられる、デザイン思考を身につけるために必要な5つのステップについて解説します。
- 共感
- 定義
- 概念化
- 施作
- テスト
デザイン思考をもつ子どもは、一生を通じて新たなアイデアを創造できる人間に育ち、他者との関わりのなかで自分の力を発揮していくことでしょう。
共感
デザイン思考を身につける際に、まず必要なステップは「共感」です。共感とは、解決したい問題そのものを深く理解することです。理解するには、相手の話をよく聞いたり物事を観察したりする必要があるでしょう。
一般的な問題解決法では問題をすぐに解決しようとする思考が働きますが、デザイン思考では解決策を出す前に「問題の本質を理解する」ことから始めます。問題に関係する人物や環境・状況をしっかり観察することが重要なポイントになるでしょう。
観察には徹底した顧客目線が必要です。そのため、問題を抱える人の立場になり物事の本質を見極めようとする共感力が求められます。
定義
2番目のステップは、物事の背景にある課題を徹底して追求する「定義」です。
例えば、問題を抱える人について「本当は何をしたいのか」「なぜ〇〇をしたいのか」など深掘りしていきます。潜在的な理由や背景が分かれば、めざすべき方向性も見えてくるでしょう。
問題の本質を捉えずに解決策を列挙するだけでは、再び難題にぶつかります。デザイン思考を活用すれば、針の穴に糸を通すような感覚で物事の背景をリアルにつかめるのです。
概念化
「定義」で問題の本質を捉えた後、解決策のアイデアを創出する段階が「概念化」です。
概念化とは、課題を解決するためのアイデアを可能な限り数多く出し合うことを指します。ホワイトボードや模造紙・ポストイットなどを使って、アイデアを書いては貼り……を繰り返していきましょう。
概念化の段階における注意点は「解決に直結するアイデアを出そう」と躍起にならないことです。「質より量」と認識し、できるだけ多くのアウトプットを目指します。この方がよりよいアイデアを生み出せるでしょう。
試作
「試作」は、アイデアを周囲に分かるような形にする作業といえます。数多く出されたアイデアを整理したり組み合わせたりして、誰が見ても分かるものにするのです。
ある程度の形にするには、課題の内容によりますが模型やプレゼンテーションなどを使います。試作で時間やコストをかける必要はありません。すぐに作った方がイメ―ジをリアルに表現でき、アイデアが抱える問題点も明確に分かるでしょう。
テスト
最終段階の「テスト」では、アイデアの出し合いを通して生まれた試作品を対象者に試してもらいます。試した感想をはじめ、問題や改善点などの情報を集めますことが重要です。
テストでは一つの試作品に固執せず、大きさやタイプ、場合によってはまったく異なる側面のある試作品を試しましょう。気づけない要素や改善点を見出せ、作品の質の向上につながります。
テストに失敗しても悲観的にならず、アイデアの創造に必要な経験だと解釈しましょう。
子どもにデザイン思考を身につける方法
子どもに必要なデザイン思考は、以下の4つの方法で身につきやすくなります。
- 家族にアンケートを取り改善案を考える
- 自分の悩み事を分析する
- 創作物に登場する人物の感情を考察する
- 身近な問題の解決案を「質より量」で出す
前章の5つのステップを念頭に考え方や行動を変えれば、少しずつ柔軟なものの見方ができるようになるため、併せて確認してみてください。
家族にアンケートを取り改善案を考える
家族にアンケートを取り、よりよい生活を送るための解決策を考えることは、デザイン思考の練習として有効です。
「嫌だなあ」「不満だ」などの課題だけでなく「うれしい」「楽しい」などのプラス的な面についてもアンケートに取り、理由も付け加えてもらいます。アンケート集計では、共通事項や因果関係などが見えてくるでしょう。家庭内プレゼンテーションで家族そろっての話し合いの場を設けてみることもおすすめです。
出された案をもとに試しに実践して改善するプロセスは、まさにデザイン思考といえます。
自分の悩み事を分析する
悩み事をデザイン思考で分析することで、新たな解決策を見出せるかもしれません。
悩みをすべて洗い出し、悩んでいることの背景にまで迫ります。これ以上ないというくらい徹底して探してみましょう。この過程で悩みの根幹が分かり、解決に向けた具体的な方向性を見出せるでしょう。
解決策として実践した行動がうまくいかないかもしれません。しかし行動したことで、新たな解決策や問題の本質が見えやすくなります。
創作物に登場する人物の感情を考察する
ストーリーに登場する人物の感情の考察は、物事を客観的に考える姿勢を身につけることに役立ちます。客観性は状況に流されずに物事を見る姿勢であり、主体性を維持できるためです。
「登場人物はなぜ〇〇という行動をとったのか」「背景に何があったのか」など徹底して問題となる原因を追求するのは想像力を養うでしょう。想像力は、デザイン思考の「共感」につながります。登場人物の感情を考察することは、実際のデザイン思考を鍛えるのに有効だといえるでしょう。
身近な問題の解決案を「質より量」で出す
身近な問題の解決案を「質より量」で出すことは、子どもたちが取り組みやすい目標となります。「自由に考えてごらん」と提示されたのちに「できるだけ使えそうなアイデアをね」とダメ押しされれば子どもは困ってしまうでしょう。
それよりも「どんな小さなことでもいいから、100個でも200個でもいいよ」と言われた方がやる気になります。アイデアの中には突飛なものがあるかもしれませんが、否定してはいけません。
子どもがやってみたければ試させてみる、といった親の柔軟な姿勢が大切です。子どもは失敗から学び、“試作品”の精度をどんどん上げていくでしょう。
デザイン思考を活用するために身につけたい能力は?
デザイン思考を活用するために身につけたい能力は、デザイン思考の各ステップに付随する以下のような能力です。
- 共感力
- 本質を見抜く力
- 柔軟性
- 創造性
- 行動力
共感力は、デザイン思考の第1ステップでありもっとも重要な力といえます。共感するには心をオープンにして、人の話を傾聴したり物事を観察したりする力も必要でしょう。共感しながらも「物事の本質は何か、なぜ〇〇なのか」と問い直す力も求められます。本質は問いのくり返しで見えてくるためです。
柔軟性は共感する際にも、固定観念にとらわれずアイデアを出し尽くす際にも使われるでしょう。アイデアを出すにも「質より量」を実践するためには、なおさら柔軟性が必要です。また不必要に思えても、組み合わせることで新たなシナジーを生む可能性もあります。創造性や出されたアイデアを形にする行動力も外せません。
他にも数多くのスキルが必要になりますが、デザイン思考を心がけることで自然とスキルの習得は可能になるでしょう。
デザイン思考を身につけるなら『Wonder Code』
デザイン思考によって、多くのスキルを身につけられるようになります。もともと必要な能力があっても使わなければ磨かれません。能力が足りなければ補う機会をつくるのは大切です。
これからの子どもたちに必要なのは、社会がどう変化しても他人や環境のせいにせず、自らが解決する主体者となって思考し行動する力です。この力を養うのにデザイン思考は最適だといえます。
『Wonder Code』では、デザイン思考を取り入れながら子どもの見えない可能性を引きだすカリキュラムを展開しています。子どもが自らの可能性を最大限に発揮し自信をもって生きてほしいと願う親御さんは、ぜひ『Wonder Code』までお問い合わせください。