【この記事の目次】
子どもの英語のリスニング力を今よりアップしたい!
英語のコミュニケーションにおいて、リスニング力は最も重要な要素の一つです。実際、高校や大学入試などでも、リスニングにおいて高いスキルを求められるようになってきています。
しかし、単語や文法は知っているのに、英会話になると「英語が聞き取れない」「リスニング力がなかなか上達しない」というお子さんは決して少なくありません。
英語のリスニング力には、大きく分けて以下の二つのスキルが必要です。
- 音声知覚:耳から入ってきた音声を聞き分けて、正しく認識する力
- 意味理解:聞き取った単語や文法からその意味を正しく理解する力
このうち「音声知覚」は、大人になるにつれ習得が難しくなります。そのため、子どものうちからたくさんの英語の音に触れさせ、音だけでなく言い回しや独特のリズムなどを身体に身につけさせる必要があるのです。英語のリスニング力をアップさせるためには、まずは聞き取りの基礎力を習得することが大切でしょう。
子どものリスニング力が上達しない原因は?
子どもの英語のリスニング力がなかなか上達しない原因は、いくつかあります。
リスニングにおいて足りない部分と原因を考え、その原因に合わせた学習方法を取り入れていくと、リスニング力は大幅に向上するものです。
まずはなぜ子どものリスニング力が上達しないと感じているのかをしっかりと把握するためにも、子どものリスニング力が上達しない原因について学んでみましょう。
英語の語彙力が少ない
リスニング力が上がらない時にまず考えられる原因は、知っている単語が不足していることです。
たとえ正しい音を聞き取れたとしても、その中の単語の意味を知らなければ内容が理解できません。反対に単語を多く知っていると、多少聞き取れない言葉があったとしても話の流れを理解するのに役立ちます。
語彙の数は、英語を学ぶ上で土台となります。語彙数は英語学習の中でも成果がわかりやすい部分でもあるので、コツコツと積み上げていくようにしましょう。
学校の授業でしか学習していない
学校の授業でしか学習していない場合も、英語のリスニングが向上しにくい傾向にあります。小学校での英語の授業は、3〜4年生で年間35時間、5〜6年生でも70時間しかありません。これでは、英語を聞く時間が圧倒的に足りないでしょう。
英語のリスニング力は、英語を耳にする時間が長ければ長いほど向上します。日頃から毎日短い時間でもよいので英語の音声に触れ、耳を慣らすことがリスニング力向上に大きく役立つのです。
また、学校の授業のみでは決まった先生の英語にしか触れられません。英語は人によって話し方や使う表現が異なるので、できるだけ多くの人の英語を聞かないとリスニング力をアップさせることは難しいでしょう。
基本的な文法が理解できていない
基本的な文法が理解できていないことも、英語のリスニング力が上達しない原因の一つ。一見、文法とリスニング力は別物だと捉えられがちですが、文法はリスニング力向上に大きな役割を果たします。
たとえば、文法をよく知らない場合、「What~」と聞こえた際に「何?」と疑問文で聞かれたと思い込んでしまいますよね。しかし、本当は「What a~!」(なんて~でしょう)という構文だったとしたら、意味は大きく変わってきます。
単語だけでなく基本的な英語の文法を知っておくことは、英語のリスニング力上達に必要不可欠なのです。
間違った発音で覚えている
少し年齢が上がり、和製英語に慣れていたり読み書きから自分で音を推測できるようになったりした子に多くみられるのが、間違った発音で単語を覚えているケースです。
子どもが「知っている単語ばかりなのに聞き取れなかった」と感じているのであれば、もしかすると間違った音で覚えているのかもしれません。
英語のリスニングに欠かせないのは、文法や語彙と同じく正しい音を知っていることです。例えば、「have to~」のように発音が変化するケースや、次に続く単語によって発音が変化するルールなどを正しく学んでおく必要があります。
リーディングよりもリスニングのほうが学習しにくい理由
子どもがリスニングを苦手と感じる理由には、リスニングがリーディングに比べて自習しにくいものであることが挙げられます。
自分のペースで進められるリーディングと違い、リスニングは話す相手によってアクセントやスピードなどが異なります。いろいろな話し方の相手に合わせ、柔軟に聞き取る訓練をすることがリスニング力向上には必要なのです。
また、リスニング力はすぐに成長するわけではなく、自分では向上しているかどうかがわかりにくいという側面もあります。それでも努力し続けていると必ず身についてくるので、子どもが諦めずに楽しく続けられるよう学習をサポートしてあげましょう。
リスニング力が高い子どもの特徴
英語のリスニングが得意な子たちは、英語力が全体的に高いことは言うまでもありません。ただし、日本人が通常苦手としやすいリスニングの力が高いことには、何かしらの共通点があるものです。
ここからはリスニング力が高い子どもの特徴を紹介しますので、傾向や生活スタイルなどを参考にしてみましょう。
日常的に英語・英会話を耳にしている
英語に触れている時間が長い子は、シンプルに英語のリスニング力が高くなる傾向があります。
周囲の大人が英語を話しているのはもちろんのこと、毎日の読み聞かせや聞き流しで多くの英語のシャワーを浴びているため、自然に英語のリスニング力が育つのです。
英語を耳にする時間が習慣化するとどんどん英語に興味を持つため、全体的な英語力も向上することでしょう。
単語力が高い
英語の単語力が高く、語彙が多い子どもは、英語のリスニング力も高いといえます。なぜなら、言葉のボキャブラリーが多いと聞き取れる単語や表現が多いからです。
そのように語彙力を多く持っている子は、日頃からたくさんの絵本、英語のアニメや映画に触れていることが多く、たくさんの英単語を聞くことに慣れています。
日常の会話でも単語は増えますが、絵本やアニメ、映画では日常で使わない単語や新しい知識に溢れています。
そのようにたくさんの英語表現に触れ、多くの単語や表現を知っている子どもは、スムーズに英語を聞き取れるようになっていくのです。
ライティングとリーディングの基礎ができている
リスニング力が高い子の多くは、英語のライティングやリーディングなどの基礎がしっかりと身についている傾向にあります。リスニングは英語の中でも瞬発力を必要とする技能ですが、その瞬発力はライティングとリーディングの基礎が身につき、英語で考える力があるからこそ生まれるのです。
また、特にリーディングの基礎がある子に関しては、返り読みせず英語を英語の語順のまま理解できるという特徴があります。このような子は英語を英語のまま理解する「英語脳」を持っているため、英会話などもスムーズに聞き取れるのでしょう。