リスニング能力上昇に必要な3つの能力

リスニング能力を少しでもアップさせるためには、以下の3つの能力が欠かせないと言われています。

  • 英語文法の基礎能力
  • 言葉のボキャブラリー
  • 情報処理能力

リスニングは会話に必須の能力であるため、「使える英語」に直結します。「使える英語」とは、話す・聞くを通して相手と適切なコミュニケーションをとれる英語です。

これら3つの能力を意識しながら英語を学んでいくことがリスニング力をアップさせるコツとなるので、詳しく確認していきましょう。

英語文法の基礎能力

適切に英語を聞き取るためには、正しい文法力が必要となります。文法は、リスニングを身につける上で避けては通れないものです。たとえば比較級、過去完了形などの文法を理解できないと、何かを比較することに関する話題や過去の話などを理解できないでしょう。

子どもが文法を身につけるには、とにかくたくさんの文章を読み、使い方を知ることが大切です。絵本や教材、アニメや映画などたくさんの英語に触れて、感覚として文法を身につけていくとよいでしょう。

言葉のボキャブラリー

言葉のボキャブラリーは、リスニングの力に深く関わっています。英語はラテン語やフランス語、ゲルマン語などさまざまな言葉を取り入れながら成長してきたため、類義語がとても多く存在する言語です。

たとえば「select」や「choose」「pick」などは全て「選ぶ」と訳せますが、実は少しずつニュアンスが違った使い方をする場合もあります。多くの表現を知っていれば相手の本当に伝えたい意味合いを理解できるようになり、リスニング力が向上すると考えられるでしょう。

情報処理能力

聞き取った言葉を頭の中で整理して取り入れる情報処理能力も、リスニング力向上に必要な能力の一つです。英語を英語のまますばやく理解できるような情報処理能力があれば、聞いた英語を写真や動画を見たときのように、瞬時に理解できるようになります。

この能力は生まれ持ったセンスのようにも感じますが、正しい訓練を行うことで後天的に身につけられるものだとされています。適切なリスニングには会話スピードに合わせた情報処理能力が不可欠だということを、覚えておくようにしましょう。

子どもの英語のリスニング力を上げる7つの方法

リスニングは、間違った方法で学習を続けていてもなかなか上達しないものです。効率よくリスニング力を上げるには、適切な方法を知ることが大切でしょう。

ここからは、英語のリスニング力を身につけられる7つの学習方法をご紹介します。子どもの苦手な部分と得意な部分を見分けながら、一人ひとりに適した学習方法を選んでいきましょう。

まずは、リーディング・ライティング力をつける

まずは、英語の基礎であるリーディングとライティングの力をつけていきましょう。リーディングやライティングなどを通して文法や語彙力を身につけなければ、限定的な会話しか聞き取れません。せっかく英語の音を聞き取れても、その意味を理解できない状態になってしまうのです。

単語や文法などの英語の基礎力が上がれば、リスニングで聞き取った音から会話の内容を理解することにつながります。まずは英語の読み書きの基本を学び、理解できる表現を増やしていきましょう。

日本語字幕でアニメや映画を観る

子どもが観るアニメや映画には、英語の自然な表現や言い回しがたくさんあります。たとえ「そんなに簡単な言い方でいいの?」と思うような言い回しでも、子どもにとってわかりやすく、伝わりやすい英語になっています。

リスニング力を意識するには日本語字幕をつけて、ただ聞き流すだけでなく意味を理解しながら観させるようにするとよいでしょう。

何よりも、毎日コツコツと続けることが英語のリスニング力をアップさせる近道です。子ども自身が興味を持って楽しみながら観れるものを選び、少しずつでもいいので継続していきましょう。

音読の後に書き取り作業を行う

リスニング力がアップしたことを実感しやすい学習方法の一つに、ディクテーションがあります。これは、CDなどの音源をまず聞いて、書き取りする学習方法です。

ディクテーションでは聞き取れなかった部分を知ると同時に、なぜ聞き取れなかったのかを考えてみるとよいでしょう。正しい文章と自分の聞き取った文章を比べてみると、間違った発音で覚えていたのか、それとも単語の意味を知らなかったのかなど、次の学習課題が見えてくるはずです。

何度も同じ文章でリスニングと書き取りを繰り返し、リスニング力の向上を自分で確かめながらスキルアップしていきましょう。

ネイティブ話者と話す機会をどんどん増やす

英語のリスニングは、慣れることが一番の近道です。したがって、「生きた英語」「使える英語」を自然に話すネイティブ話者との会話が、リスニング力向上に効果的です。

最初は緊張したり、恥ずかしいと思ったりすることもあるでしょう。しかし、それを乗り越えて自分の英語が相手に伝わったという体験をすることこそが、その後の英語学習に対する意欲に繋がっていきます。

リスニング力を伸ばすためには、できるだけ多くのネイティブの英語を子どもに聞かせ、アウトプットを取り入れるよう心がけましょう。

オンラインレッスンを利用する

オンラインスクールは送迎の負担が少なく、何より自宅から自分が受けたい授業を手軽に受けられる点が魅力です。海外に住むネイティブの英語講師と直接話せたり、マンツーマンでのレッスンをリーズナブルな料金で受講できたりするサービスもあるため、メリットは多いでしょう。

短い時間でもいいのでたくさんのネイティブの英語に触れる時間を増やすと、どのような人の英語にも対応できるリスニング力が自然に身につくようになります。

CDつきの参考書を利用する

リスニングの向上には、何度も同じ文章を聞いて耳を慣らす学習方法も効果的です。CDつきの教材は、音源を自分で選び好きな場面から再生できるメリットがあります。また、音源に沿ったテキストと組み合わせることで、使い方の幅も広がるでしょう。

前回間違えた部分をチェックしたり必要な部分のみを復習したりすることで、1冊の参考書を使うだけでも大きな効果を発揮します。テキストに慣れるまでは保護者が使い方などを教えながら、子どものリスニング習得につながるようサポートしてあげるとよいでしょう。

YouTubeのリスニング学習動画で学ぶ

近年、YouTubeは無料で学習できる教材として注目を集めています。ネイティブの講師が解説しているものや子どもが興味を持ちそうなテーマを扱っているものなど、動画の種類が豊富でクオリティも決して低くはありません。

ただし、リスニングの学習にいい動画を見られる一方で、種類が多過ぎるあまりどの動画を選んだらよいのか迷ってしまうこともあるでしょう。また、関連動画が次々と流れてくるため、視聴を終えるタイミングがわからないといったデメリットもあります。

子どものレベルや興味に合った教材を一緒に選ぶこと、時間を決めて集中して学習することなどのルールを決めて、効率よく進めるようにしましょう。