将来のために、子どものタイピング技術を上げたい

昨今はパソコンが使えない若者が増えているといわれています。この現状を踏まえ、親御さんは「子どもにはタイピングの練習をさせたい」と思うことも多いでしょう。

たしかにスマホやタブレットがあれば多様なアプリケーションを使えるため、わざわざキーボードで文字入力の練習をする必要はありません。しかし、タイピング技術を身につけていなければ、就職してから不便さを感じたり、作業が遅くなったりする可能性もあるでしょう。

そこで今回は、子どもがキーボードで円滑に作業するために必要なタイピング技術の習得に関する情報や練習方法について解説します。また、タイピング技術の練習をどのようにさせたらよいか紹介します。

子どもがタイピングを練習するメリット

子どもにキーボードでタイピング練習をさせるのは、将来の話だけにとどまらず現段階におけるメリットと関係しています。

学習を進める際のアウトプットにかかる時間を削減したり、パソコンやアプリケーションへの苦手意識を和らげたりするなど、さまざまな効果が考えられます。

ここでは、子どもがタイピングを練習させるメリットの5つについて解説します。

  • 書くよりも早くアウトプットできる
  • 得意科目を増やせる
  • デジタル技術への苦手意識を和らげる
  • 文章づくりに集中できる
  • 将来的な自己アピールにつながる

書くよりも早くアウトプットできる

キーボードのタイピング練習を通して、書くよりも早く文章表現できます。手で書く場合は間違えるたびに消しゴムで消したり、推敲する際も文章を入れ替えたりするなど意外に手間がかかります。しかし、タイピング練習でスキルを身につければ入力スピードも上がり、コピー&ペーストといった機能を使って推敲も簡単に進められるでしょう。

練習すればするほど作業スピードが上がるため、短時間で多くの文章をアウトプットするのが可能となり、文章を書く楽しさも味わえます。

得意科目を増やせる

タイピングを練習する過程で身につくのが、キーボードを使った効率的な操作です。作文だけでなく、算数や英語、図工などの分野でも活用でき、得意科目を増やすチャンスになるでしょう。

たしかにスマホやタブレット上でも、WordやExcel、PowerPointなどのアプリケーションは使えます。とはいえショートカットキーを使ったり、作図や計算ソフトを活用したりする際は、キーボード上の方が作業効率は高いといえます。

タイピング練習は、タイピングのスピードだけでなくキーボードの機能を応用的に学べるため、得意科目を増やすチャンスになるでしょう。

デジタル技術への苦手意識を和らげる

タイピングは結果が目に見えてわかるスキルであるため、練習すればするほどデジタル技術に対するネガティブな感情を軽減できるでしょう。ローマ字入力でつまずく場合でも、タイピング練習でローマ字も同時に習得できます。アルファベットの組み合わせでタイピングすれば、ひらがなが生まれる過程を指の動きを通して理解できるためです。

タイピングの練習で目的の言葉を入力できれば子どもは満足感を得られ、さらにタイピングを練習してスキルを上げていくでしょう。

文章づくりに集中できる

スムーズなタイピングが可能になれば、子どもは表現することが好きになり以前よりも文章づくりに集中できます。

特に文字を書くことに苦手意識をもつ子どもは、タイピング練習でタッチタイピング(キーボードを見ないで画面を見て操作すること)が可能になるとストレスを感じにくくなるでしょう。自分の考えや思いをそのまま打ち込んだり簡単に修正したりできるためです。テンポのよい文章づくりが可能になり、練習量が増えるごとに文章力も向上するでしょう。

将来的な自己アピールにつながる

現在はさまざまな職場でITスキルが必要なため、練習でタイピング技術を習得すれば将来的な自己アピールにつながるでしょう。

例えば営業職であれば管理ツールやメール機能の活用、プレゼン資料の作成など、職場や顧客とのやり取りでパソコンを使います。場合によってはスマホで対応可能なアプリケーションもありますが、やはりパソコンを使った方が効率よく正確に作業ができるでしょう。

子どものタイピング練習で大切なことは?

子どもにキーボードでタイピングを練習させるうえでの注意点は、急かしたり叱ったりして、子どものスキル向上をさえぎらないことです。

また、初めてキーボードを目にする子どもは「なんだか数字やアルファベット、記号がたくさんあって大変そうだ」などの感情をもつかもしれません。タイピング練習の際は、子どもの興味づけや意欲向上につながるような声かけやサポートを心がけましょう。

ここでは、4点にしぼってタイピング練習のポイントを解説します。

  • 速さよりも正確さを重視する
  • 間違えることを叱らない
  • 分からないことを質問できる環境を担保する
  • 子どもの興味や娯楽とタイピングを紐づける

速さよりも正確さを重視する

タイピング練習では、タイピングの速さよりも正確さを重視する必要があります。タッチタイピングを最初から求めないようにしましょう。

はじめは、タッチタイピングを身につけるために重要な指の正しいポジションを教えます。タイピングでは、キーを押す指が決まっており、右手の人さし指をJ、左手人さし指をFに置くのが基本です。ここから母音の「A・I・U・E・O」のポジションやよく使うキー(DelやEnterなど)を教え、少しずつ文字入力の練習をさせましょう。

間違えることを叱らない

タイピング練習では、キーボード上のキーを押し間違えたからといって叱らないようにしましょう。なかなか上達しない子どもを見てイライラするかもしれませんが、決して焦らせてはいけません。

タイピングスキルの習得は、スポーツや楽器の練習と同じように体で覚えるものです。練習の過程で何度も失敗し改善することで、子どもはスキルを習得していきます。間違ったときは「どこでどう間違えたのか」一緒に確認しながら、修正に必要な操作へと導きましょう。

分からないことを質問できる環境を担保する

タイピングだけでなく、何かを練習する過程でさまざまな疑問点や課題が生まれることでしょう。その際、質問できる環境を整えておくのは大切です。

親御さんがいつでも質問に答えられる体制でいられればよいのですが、質問が難しくて答えられないケースもあるでしょう。この場合、WebサイトやYouTubeを検索してタイピングの仕方を調べて練習するのがおすすめです。

また、書籍や動画などを通して質問や相談窓口サービスを利用するのも方法のひとつです。

子どもの興味や娯楽とタイピングを紐づける

子どもにタイピングスキルを身につけさせたい場合、単に練習させるのではなく子どもの興味や娯楽をつなげてみるとうまくいきます。

例えばゲームに興味をもつ子どもであれば、タイピング練習ができる無料ゲームを利用するのもよいでしょう。タイピングがうまくいったときに爽快感を得られる小学生向けのゲームがおすすめです。そのほかに、自分の思いを表現したい子どもはブログの開設、歌の好きな子どもであれば歌詞入力などの練習が考えられます。